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ステージ13
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しおりを挟むその日、僕は帰宅してから里香ちゃんへ報告の電話を入れた。
「もしもしリカちゃん、迷惑かけてごめん。解決したから」
『本当?恨まれたりしてない?』
「…処分は僕じゃない、本社の人からだから。もうこんなことは起こらないと思うよ」
『そう、良かった……ねぇ岳美くん?』
案外食い付かないな、犯人は誰とか知りたくないのか。
里香ちゃんは落ち着いた声で僕を試すように名前を呼ぶ。
「なに、」
『もしさ、そっちに超好みの女の人が居てさ、アプローチされたら…どうする?』
「どうもしないよ、前も言ったでしょ」
『うん…でもさ、こっそり関係持っても私には分かんないし…現地妻作られても気付けないし』
「…やってもないことは証明できないな」
わぁ疑われている。
僕はやっぱり実直に生きるしかできなさそうだ…きっと声は上擦った。
いや、断じて浮気などしていないのだけど。
そりゃあ不在の夫が浮気してるなんて仄めかされて気分悪いだろう。
ここから信用を取り戻すなんてできるのかな、悪魔の証明は僕を悩ませる。
これはいけない。
翌日僕は里香ちゃんの休みに合わせてシフトを調整した。
「夫婦で大切な話があるので」とご両親に話を付けて子供を預かってもらう都合も付けた。
そしてとある休日、関東と関西のちょうど中間あたりの新幹線駅近くで落ち合うことにした。
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