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5章…大願成就の第一歩
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しおりを挟むそして予定通り食後はバーで軽く呑み直して部屋に戻り…しかし予想外だったのは和臣さんがどっぷり酔い潰れてしまったということだ。
「和臣さんっ…重っ…」
「…うん、うん……なんだ、…うん、」
何とか部屋まで歩かせたものの、ベッドの傍まで来ると彼はばふんと倒れ込んで何やらブツブツ呟く。
これは私主導で進めても翌朝には憶えてないパターンか、ならばさっさと襲って童貞を頂いてしまおうか。
しかし和臣さんの酔い方が分からない。
これだけヘベレケでもすぐにシャッキリしたり記憶だけは残っているタイプかもしれない。
「和臣さん…あの…」
「うん、うん……聖良、」
「はい、…あっ」
酒臭いのはお互い様だが覗き込めば洋酒の甘い風味が鼻腔をくすぐる。
そして乱暴に頭を掴まれて和臣さんの上に覆い被さるように引き倒された。
「聖良…すまない、分からないから…度胸が無くて…緊張してこんなに…酔ってしまった、初めてなんだ」
「え、えぇ…誰しも初めてはありますわ」
「聖良は…失礼だが…男性経験はあるのか?」
「…男性経験は、ありませんわ。けれど…和臣さんとこうなるためにシミュレーションは重ねましたの…阿婆擦れと笑わないで下さい、和臣さんに抱かれるのを夢見て想像しておりましたの」
「そう、か…いじらしいな…」
ちゅっちゅと口付けて体の凝りを解せば、口の端からはつぅとアルコール臭い涎が垂れる。
「ふふ、和臣さん、緊張されるなら…私が上になっても?」
「…いや、そこまで情けないことは…」
「最初は私が上で、痛みもありましょうから自分のタイミングでさせて下さい。慣れたら和臣さんが上になって…その頃にはきっとお酒も少しは抜けているんじゃないでしょうか」
「…騎乗位か…分かった……すまない、聖良…もっと若いうちに経験しておけば良かったんだが」
「いいえ、和臣さんの初めてを取っておいて頂けた、それはきっと運命なんですわ」
そこに嘘は無い、この純情で仕事と野球応援に勤しむ青年が未経験だからこそ私があてがわれ役目ができ生きる理由が与えられたのだ。
手練れならコントロールが難しいが今日が初体験なのだから私好みにカスタマイズしていける。
予習通りに好みの女を演じて楽しい性生活をエンジョイして頂かねば。
「脱がしてよろしいですか?」
「あぁ…」
「逞しいんですのね…」
大きな体、長い手足…初めて触れる生身の男性。
脱がせる練習はしていないからこのぎこちなさはナチュラルなものだ。
背中を浮かせて協力し合い和臣さんはトランクスだけになった。
「(わぁ…盛り上がってる…)」
太ももに跨り直して股間をつい凝視してしまう、何を隠そう本物のソレは見たことが無いのだ。
私は処女ではない。
それは本当、けれど男性経験も無い。
それも本当だ。
私が養母と鍛錬したのは張り型…つまりはディルドやバイブレーターを使ってのセックスだった。
どんなものかは知っている、様相だって仕組みだって知っている。
けれど触れたことが無いから恐る恐るトランクスの上から手をあてがう。
「おあッ」
「えっ」
「す、すまない…さ、触られたことが無いから…あー…情けない、すまない、もっと…下着の上からで良いから触ってくれないか」
「はい、……わぁ…硬いんですのね、和臣さん」
褒め方は習った、硬いとか大きいと言っておけば男性は喜ぶのだと聞いた。
実際に和臣さんのソレは金属を肉で包んだかのようにしっかり芯のある硬さが手のひらに伝わって来る。
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