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1章…人生計画
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しおりを挟む「和臣さんに好かれて…セックスしたいと思わせなきゃ…」
旅行カバンに予備のスーツと着替えに化粧品などを準備してベッド脇に添える。
下着は一応セクシーなものと可愛らしいものを用意。
初対面でいきなりお見せする機会は無いとは思うがどんな事態にも対応できるよう構えておかねばならない。
まるで女優のように振る舞い和臣さんを魅了してセックスに持ち込み、ゆくゆくは議員になる彼の秘書となり傍に置いてもらう。
これがご隠居が希望する私が課せられた任務だ。
なぜご隠居がそこまでするかって、私には全く理解できないが『名誉』のためらしい。
親子3代で国会議員になり名を残したい、それに何の価値があるのかは分からないけれどそれ自体が目的だそうだ。
そしてそのためには色恋にうつつを抜かしている暇など無し、仕事に集中するために専用の女を当てがってしまえと…そんな突飛な考えだそう。
外で女を買えば目立ってしまうが秘書とデキていても目に付きにくいし、実務もできれば一石二鳥とのことだ。
ちなみに息子である伸夫先生は学生時代からの同級生である奥さまとの恋愛結婚だ。
どこかのご令嬢との政略結婚を画策していたご隠居は当時それはそれは反対したらしい。
しかし「許してくれないなら地盤は継がない、彼女でなければ意味が無い」と先生は結婚を強行。
勘当されるも自力で議員になり子宝にも恵まれたことでご隠居も折れざるを得なかったのだとか。
その息子である和臣さまは言わばご隠居にとっては隔世リベンジなのだ。
遊びは私で行ってもらいタイミングを見てお見合い話を持ち込み身を固めさせる…重ね重ね私はそれに何の意味があるのかは分からない。
ただの虚栄心くらいにしか思えない。
けれど私は自身のためにやるだけだ、私にはもう…帰る場所なんて無いのだから。
「…カジュアルも持って行こうかな…でもな…」
講演会の後に和臣さんと食事でもする機会があるかもしれない。
でも着替えに帰る時間は無いかも、そもそも休日だからといって彼が在宅とは限らない。
でも上手く会えれば嬉しいな、いや嬉しいと言うか都合が良いな。
まだ見ぬ彼の動向に左右される自身の仕事、どこまでも操り人形な私は2回3回とキャリーケースの中身を入れ替えてはイメージトレーニングを繰り返した。
つづく
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