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9章…悪の道
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しおりを挟む「……別に…そこまで好きでは…」
でも体は正直ですわ、凛と立つモノに手も添えず跨り先端をちゅぷちゅぷと出し入れすれば、どうしても視界に収めたいのか和臣さんは腹筋にものを言わせて頭を持ち上げる。
そして器用に枕を背中に差して少し快適な角度で、出ては消える自身と遊ぶ私の陰部をまじまじと見つめた。
「和臣さま、欲しいですか?」
「あ…だ、抱いてと言ったのは聖良だが」
「そうですけど…では抜いてしまっても?」
「だめ、だ…あ、ひと思いに…挿れてくれッ…」
「まだ、ダメ…」
ぬっちゃぬっちゃと愛液が垂れて和臣さんの茂みを濡らす。
泡立って白くなって、糸を引いてはぷぅんといやらしい香りが舞う。
気を揉んだ仕返しにたっぷり困らせて差し上げますわ、もっともそれが嬉しいのだから仕置きにもならないのだけれど。
「ぁー…聖、ら…深く、降りて来てくれッ…気がおかしくなりそうだッ…」
「ふふッ…可愛らしいですわね、和臣さま…」
「あ、もう、い、イってしまう…聖良、エッチで…可愛いッ」
「まぁ…訓練した甲斐がありますわ♡」
徐々に深く挿しては戻してもどかしさに双方がきゅんと疼く。
中腰体勢を維持するのも大変だがもっと欲してもらいたいと望んでしまう。
「きよ、ら、あ、」
「私が、欲しい、ですか?」
「欲しい、聖良しか、要らないッ…」
「嬉しいですわ、和臣さま……たっぷり、ご奉仕致しますわ♡」
「おあッ♡はァ、聖良♡」
ずっぷり腰を沈めて合体すれば和臣さんはぴくぴく瞼を震わせて白目になって、どんな偉い人もこんなになるのねと少し冷めた目で見下ろした。
骨抜きになったのはお互い様、でも心の芯から溺れるなんて私はきっと出来ないのだろうとゆさゆさ上下しながら彼の喘ぎ声を聴く。
「聖良ッ♡あ、気持ち良いッ…あ、そんなにッ…ア♡なん、わァ♡」
「…申し訳、ございません、和臣さま」
「ん、何、が、」
「志を、曲げさせてしまい、申し訳ございませんッ」
はらはら涙が和臣さんの腹へと落ちて、それでも腰の動きを止めない私はやはりどこか機械的なドールなのかもしれない。
「良い、純真なだけじゃ生きていけないさ、んッ…あー、気持ち良いッ」
「何より、ですわッ」
彼は私の下で大いに乱れて、私を睨んで、その目から流れ落ちた涙は彼が棄てた実直さや真摯な心だろうか。
つーつーと耳のフチを走ってシーツへと吸われていった。
ごめんなさい、悪の道を選ばせてしまって…でもそれが私の目標だったのだから後はもう気を揉まずに仕事に精を出すのみだ。
心苦しさはいずれ消えるだろう、少なくとも体を重ねている間は申し訳なさなんて感じないだろう。
将来和臣さんの奥さまになる方に対しては色気など匂わせずハキハキと接するのみ、ただでさえ女性秘書はいかがわしいイメージが付きまとうのだから明るく清く正しいキャラクターを作り直さねばならない。
タイミングとしては和臣さんが当選して県議会議員になり私が異動してからが自然だろう。
もう伸夫先生にも頻繁には会わなくなるだろうし快活な張り切り秘書になるべく精進しよう。
そしてしばらくして破局したことにしてお見合いしてもらい、誠実な和臣さんは公私混同などしないということで私も職を失うこと無く秘書の席に居座って業務を続ける。
全く面倒な小細工だけど道理を通すにはヘンテコでもこんなシナリオを作らねばならない。
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