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6章…心が生まれて
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しおりを挟む息が上がり答えられなかったフリをしてシーツへ倒れて、言葉にならないことを呟きながら体を離した。
「あ、」
「なに、か?」
「すまない、中でゴムが外れて…動かないでくれ」
「あらあら」
ぬるぬる過ぎたのか和臣さんの鎧は私の中で脱げてしまい、浅い所で留まって白いフチがふるふる私の鼓動に合わせて震えている。
挿し口が表に出ているから中に漏れてはないのだろう。
一応ピルは飲んでいるし排卵日から離れていることもありそこまで心配はしない。
「漏れてはなさそうだ……あは、エッチだな…」
少し力を入れると和臣さんがはまっていたコンドームの穴から温かいものがとぷっと流れ落ちる、
「あ、嫌ですわ、すみません」
と手で隠すと彼は初めて見るサディスティックな表情でこちらを眺めていた。
「…?」
「…あ、ティッシュな、……ふふ」
「何ですの?」
「いや、僕の子種を産む聖良がいやらしくて可愛いから」
「産んだのは和臣さまが着けてらしたコンドームです…嫌ですわ、いじわる…」
いっそ誠意など見せず都合よく使って下さればこんな気持ちにならずに済んだのに…空っぽだったこの胸の中には和臣さんを想う心が生まれてしまったようだ。
それはいつからか、初めて対面したあの日からだろうか。
終わりが来るその日まで、最低限のルールを守りながら彼を愛しても良いのだろうか。
私からではない、望まれるから『愛しい聖良』を演じるのだ。
「ん、抜けた…漏れてはなさそうだよ。…見せて、拭いてあげよう」
「いえ、自分で…あ、」
「指がすっぽりだ、これは聖良が作った愛液だからね」
「あッ…らめッ、」
「Gスポットか、きゅうっとなってるな…僕の恋人はエッチで困るなぁ、ペニスが何本あっても足りないぞ」
「あっ、あ、」
「このまま指で良いか?聖良、奥が近付いて来てる」
「和臣さ、ま、お、ちんちん、挿れて、くらさいイ…イっちゃい、ます、」
「そう、欲しがり聖良、イカせたいねッ」
「あ、ア♡」
リードしつつなんてとんでもない、もうすっかり自信を付けた和臣さんは巧みに誘導してはセックスを私の方から請わせて抱いた。
望むなんて烏滸がましいのに欲しくって堪らない、私たちは共に欲して求め合っている。
私は彼の1番にはなれないんだから弁えて、それでも惹きつけておかねば愛人になれないかもしれないから誘惑し続けて。
「もう、疲れました…和臣さま…こういうの、絶倫、って言うんですわ」
「そうなのかな…あ、良い時間だからシャワー浴びてモーニング行こう」
「元気過ぎますわ……ふふっ」
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