恋を知らないセクレタリー・ドール…心が無くても雇っていただけますか?

茜琉ぴーたん

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5章…大願成就の第一歩

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「……美味しいな…これ、いつも頼んでるのか?」

こぼれ落ちるタマゴサラダを手で受けながら、和臣さんはサンドイッチにがぶりと齧り付く。

「はい、アパートの近くにもお店がありまして、色々と試してます。たっぷり野菜も摂れますし大好きなんです…初めてでしたか?」

「あぁ…注文方式の分からない店にはなかなか足が向かないもんでね。今度、ひとりでも来てみよう」

「店員さんにお勧めを聞くのもアリですわ、季節限定商品なども楽しいですよ」

「聖良はお洒落だなぁ」

「いえいえ、そんな」

 お洒落に金を出すような軽食は本来好みではないのだけれど、疲れて帰宅した際に食事を作るのが面倒で試してみたら案外美味しくてハマってしまった。

 家で再現してみたりもするがやはり本物に勝るものは作れず、最近ではドレッシングだけでも一般発売してくれないかとカウンターをチェックしている。


「…幸せだ」

「大袈裟ですわ、サンドイッチくらいで」

「可愛い恋人とこうして過ごせる時間が、幸せだと言ってるんだ」

「和臣さん…」

今夜はこれよりもっともっとハッピーにして差し上げますわ、「ふふ」と微笑めば和臣さんも同じように返してくれた。


 さて今夜、プランとしては軽く酔った状態でホテルの部屋へ帰り順番にシャワーを頂き、和臣さんが上がった頃には照明を落としたベッドの上で私が待ち構えている…というのがスムーズで良かろうかと思う。

 和臣さんは戸惑うがそのまま口付けてバスローブを脱がすくらいは気張られるだろう。

 裸で抱き合って良きところで挿入、童貞でも本能で動ければ良いのだが。

 もっとも、その童貞を奪って自信を付けさせるのがミッションでもあるから、上手く誘導しておだてて「僕にこんな力が…?」と思って頂けるよう演技はするつもりだ。

 コンドームの着け方だってひぃ様と練習したもの、腰の振り方だって教えてもらった。

 これが出来なければ私の人生は半分が意味の無かったものになってしまう。
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