恋を知らないセクレタリー・ドール…心が無くても雇っていただけますか?

茜琉ぴーたん

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3章…幸せですわ

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 翌日。

 伸夫先生は市民会館いっぱいの参加者の前で論客の1人としてお話をされて、私はお水を持ち先輩秘書と共に舞台袖にて見守った。


「やっぱり奥さまに会われると活き活きしてらっしゃるね」

「はい、とても睦じい様子で…微笑ましゅうございました」

「浦船さんもここカメクラ出身だったね?行く行くは地元付きか党支部付き秘書になるかもしれないね」

「あら、私は第一秘書を目指しますわ…えぇと、それからこれ、」

甕倉カメクラ市の党支部付きの先輩秘書も合流して近況を報告し合い、東京から持ち込んだ資料などの引き継ぎも行う。

 実際には数年勤めて和臣さん側に付くだろうからどこまで上り詰められるかは分からない。

 伸夫先生が引退される際にも秘書何人かがそのまま和臣さんの下に流れるだろう。


「(上手いこと乗り換えて…お近くに居られるようにしなきゃ……しかし和臣さん、生で見ると…カッコ良かったなぁ…)」

 地域貢献活動だとか若者の就職の話、先生や党がどのようにして地元へ貢献していくかをウンウンと頷きつつ聴いてこの後のデートのことを少し考える。

 どこに連れて行って下さるんだろう。

 女性慣れしていないから覚悟はしているけれど立ち食いそばとかなら残念な気持ちになる…いや、そばは好きだけれど。

 距離感をどこまで縮めて来るか、もしくは私からモーションをかけてみようか。

 何を隠そう初めてのデートに私も浮ついていた。

 予想通り仕事終わりだから私はスーツ、和臣さんがカジュアルで来たら並んで歩きづらい…かと言って彼もスーツだと堅苦しくて和めない。

 ランチだから海の見えるレストラン辺りが妥当かな、ここは和臣さんのお手前拝見といこう。

 講演終了後、ホールの関係者用出入り口の近くにて彼と落ち合った。
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