馬鹿でミーハーな女の添い寝フレンドになってしまった俺の話。

茜琉ぴーたん

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 帰宅後、遥は味噌汁だけ自作して惣菜を皿に開けて、座卓へ配膳する。
 そして床へ座る長岡の脚の間へしゃがみ込み…素面しらふでフェラチオを始めた。
「んッふ…ん、ん、」
「あー……マジ至福、だな…美味いし上手い」
 長岡は白米に載せたイカ天を口へ運んでは遥を見下ろし、味噌汁を啜ってはニヤニヤと笑う。性欲と食欲を一気に満たす夢のようなプレイ、食べながらの口淫はなかなかに男を興奮させた。
「ハルカ、上手」
「ん、んー…は…やらしい…ね、」
「やらしいよ、ハルカ…」
 汁椀を空にして茶碗を座卓へ戻し、しばし快感に集中しようと思えば遥が
「ん、もぉ食べたの?」
と無駄口をたたく。
「喋んじゃねぇ、仕事しろ」
「んぐ」
首根っこを掴んでしっかりモノへと押し付ければ彼女は苦しそうに、しかしながら御される自分に悦ぶような表情を見せた。
「マジでなぁ、ケルホイが俺よりガタイのいい奴で、暴力沙汰になってたらどうすんの?言っとくけど俺は殴られたらお前なんかすぐ引き渡すぞ?ケンカなんてしたことねぇんだからよ、」
「ン、ん、」
「大体、ケルホイからの電話だってよ、先に約束しちまってさぁ、俺に予定が入ってたり断られたりしてたらお前、ひとりで会いに行ったのかよ?また騙されて泣きついてくる気だったのかよ、」
「ぁ、なオ、」
「舌動かせ、馬鹿」
遥が満更でもないと踏んだ長岡は腰を浮かせ、彼女の頭をしっかりと掴んで自分から彼女の喉へと打ち付ける。
 双方にとって初めてのイラマチオ、遥は操縦されている自分に酔い、時折せながら歯を立てぬように喉を捧げた。
 長岡は後ろ手をついて腰を振り、呼吸だけは止めさせないように深く浅く調整しながらしごかせる。
「あー…いいザマだな、ハルカ、ケルホイにもこれくらいしてやるつもりだったか?あ?」
「ん……ん、ん、」
「ハルカ、あー……こっち座るわ、ん、悪い…」
「んふ…いいの、ん…好きに…使って…」
「馬鹿だな、」
「う、ん、」
 やってはみたがあまり性に合わなかった…長岡はベッドへ掛け直して遥の脇腹を掴み抱き寄せ、同様に咥えさせた。そして後ろ頭を撫でてやると、やはり彼女は快適そうにうっとりと、美味しそうに彼を喰らった。
「ん、ハルカ…任せるから、頑張ってくれ…超気持ち良い、緊張から解き放たれた感じだな、ケルホイもそうだし……昼間の人混みも…気取ったデートも…これでも結構、気張ったんだぜ、お前に恥ずかしい思いさせねぇようにさ、」
「ん、ん、」
「あー…すげぇ、ハルカ…お前は…どうなの、楽しかったか?」
「ゔン、あおひあっあ楽しかった…」
「ん、なら…良かった…金の分は仕事できたな」
「っふ…充分、らよだよ
 休日デートもいよいよ終盤、長岡は「ヌかれてやる」ことが仕事と捉え、大人しく遥の前後する顔を眺めては唇をむにむにと波打たせる。
 遥を伴って立てば、いつもは「電気代かかりそう」としか思わないショッピングモールの広場のツリーも美しく輝いて見えた。女性を従える優越感、恋焦がれてはいないものの「コイツは俺を信頼している」と思えば自然と歩調を合わせて穏やかに話すことができた。
「俺も…リア充気分、ちっとは…楽しかったぜ、毎回あれなら連れて行かねぇけどな、う、ん…」
「ん♡」
「いい思い出だな、クリスマス、デート、うん、」
「ん、ん♡」
 では今、自身の股間にうずくまる女性が愛しいかと問われれば長岡は「んなわけねぇ」と答えるしかない。
 彼にとって女性はウォッチ対象か性欲のけ口、進んで馬鹿にするわけではないがそれ以外の接点が無かったのである。
「あ、ハルカ、どうする、口に出していいのか?」
「ん、ん、」
 軽く隙間を開けた口元からはじゅぽじゅぽと湿った音が漏れる、これはきっとわざと聞かせているのだろう。小賢こざかしい真似をと思いながらも長岡はそのサービス精神に敬服する。
「ハルカ、分かるか、タマが上がってきてる、な、もう、ん、出るぞ、憶えとけよ、俺の…味、なぁ、」
「ゔ、ん、」
「あ、イく、ハルカ、あ、あ‼︎」
射精する瞬間に長岡は屈み込んで遥の肩を抱き、ぎうと股間へ小さな頭を更に押し付けて喉へと注ぎ込んだ。
「あ、あー……ハルカ、ごめ、おい、離せ、」
「んッ…苦……お掃除まで、シてあげう、ん♡」
「どんだけち◯ぽ好きなんだよ…」
「感謝のしるし、だお、ん、ん、ふふっ」
皮の中へ収まりつつある亀頭を舌で呼び止めしっかりとねぶり、先端に残った白濁もしっかりと舐め取って遥はやっと頭を上げる。
「ふー…ごちそうさま、私もご飯食べよっと」
「…引くわー」
「飲ませといてそれはなくない?」
「飲めとは頼んでねぇよ」
長岡は床へ座り直し、冷めたおかずを摘む遥を賢者の気分で眺めた。

「…ねぇ直樹、なんでお酒呑ませなかったの?」
「ん?んー…なんとなく…」
 当初は酔ってから奉仕する予定だった。しかし調理が終わって酒を出そうとする遥を止めたのは長岡だったのだ。
 理由としては酔えば『抱いて』『嫌だ』論争が起こってしまい面倒だから、そしてクリスマスムードとケルホイを捨ててやった高揚感に当てられて一線を越えてしまうかも、という懸念があったからだった。
 酒は人を狂わせ欲を暴走させる。初めてのフェラチオも彼女の胸で遊んだ時も、大概酒が入ると深く体を合わせてしまっている。
「…私のこと、ちょっとは好きになった?」
「ねぇよ」
「そっかぁ……でもさ、ケルホイに…一泡吹かせてくれて…本当に気分良かった。ありがとう」
「まぁ……うん…風呂入るわ…ゆっくり食えよ」


 長岡は酔ってもいないのにふわふわとした足取りで風呂場へと向かい、遥コーディネートの服を脱衣カゴへと落としていった。
「ふー…」
一線を?越える?まさか無い無いと呆れる反面、今後これほどに飾らずゆるゆると過ごせる相手が現れるだろうかと考えたりもする。
 無い、と今日まで決め込んできたがデート仕様の遥はまぁまぁ可愛かったし、ケルホイに詰め寄った時は彼女のためを想い想定外のことも聞いてしまった。
 いつも悪態をついても受け流して付いてくるし自分のことをよく分かってくれている。きっとセックスをしてやれば簡単にカップルになれるのだろう。
「……んー……嫌いじゃねぇんだよな…」
 しかし彼は分からないのだ。恋愛のドキドキも、相手を心から大切に想うという感覚も。
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