壮年賢者のひととき

茜琉ぴーたん

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エピローグ・賢者は大人気ない

73(最終話)

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「何の話ッ…あ、おも、ちゃ?」

「また検索しときなさい、大人の玩具、ね、んー…ヒナちゃん、旦那の欲の塊だよ、おなかに挿れてあげるからね、ヒナちゃんも…イきなさいな、」

「ふ、あ?あ、やらッ…あ、健ッ…い、だめ、あ♡」

 目に涙を浮かべて口はいつでも「嫌だ」を繰り返す。

 それなのに下半身は、下の口はパックリと嘉島を呑み込んで咥えて離さない…「嘘つきな嫁さんだな、」そんなことを思った男はニィとわらう。

「教えて、旦那のち◯ぽ、どうなってる?」

「やらッ…あ、言わな、イっ♡ッあ、」

「言いなさい、ヒナ、どうなってる?」

 おねだりができるのだから実況もさせてみようか、止まるところを知らぬ夫の欲求は若妻の被虐欲を不埒に撫でて刺激した。

「あ…おっぎく…なっ、て、あ♡おぐ、奥に…あだってェ♡」

「奥さんはどうなっちゃいそう?ん?」

「いっぢゃ、い、そ、フぁ、」

ほろほろに崩れる寸前の陽菜子は口の端からだらしなく涎を垂らし、涙が流れればそちらは手首で拭ったりする。

 愉悦、恍惚、享楽、抱けば抱くほどに、回数を重ねるほどエロティックに咲き乱れる陽菜子に負けないように嘉島も奮う。

「嫌か?やめようかァ?」

 やめてと言われても聞く耳は持ち合わせてないが…嘉島は想定より早い終幕を感じとってラストスパートにかかった。

「やめ、な、いデ…クらさぁ♡あ、アあ!」

「ん、可愛いよ、ヒナ♡」

 眉尻を下げたくしゃくしゃの顔で陽菜子は愛する夫の笑顔を捉え、

「げんい、ぢさ、」

と途切れながら返せばそのいじらしさに夫もまた表情を崩す。


 そして呼び合いを数回繰り返したのち、

「ん、」

と気配を感じた嘉島は流れに集中するべく奥へ押し付けて…妻が昇ってくるのを待った。

「っっ♡♡あ、ああッ♡…………んっ♡あ、あ、は…あ!あー……わぁ…」

「フ……んッ…あ、出てる…あー…ははは…あ、制御できなかった…老いだなァ」

本当ならイき狂うほどに突き動かしてやりたかった、しかしその余裕無く果ててしまったので連続イキはならず、嘉島は自虐を込めてボヤく。

「やたら…歳のこと言いますね…気に…なりますか?私のこと、もっと年上に…同い年くらいに思えません?」

「無理。こんな可愛いアラフィフはいない」

「そういうことじゃなくて…ん…あ、垂れちゃった…」

 体を離せば縮み上がった嘉島を追いかけて白濁も外へ、穴からはコポと独特な匂いが広がった。

「うわ、エロいな…写真撮っていい?」

「いけません!もう…あ、」

「よく見せて、……おー、中出し精子が……はは、奥まで届いたかな?ヒナちゃん」

「分かりませんよ…もう拭きます…」

 時間差で別々に寝る日、揃って寝る日、セックスをしてから離れて寝る日、嘉島夫妻はその時々で常に状況を楽しみながら寝室での時間を過ごす。

「ん…授かって…くれたらいいなァ、俺の子」

「はい…楽しみですね、ふふ♡」

「待って、ヒナちゃん。今日は…こっちで一緒に寝よう」

下着をつけながら自分のベッドへ向かおうとする妻を、まだ丸裸の夫が引き留めた。

「え、いいんですか?蹴っちゃいますよ?」

「いいよ、俺が壁際なら落ちないだろ。なんかすごく…ぎゅっとしたいんだよ、ね、」

「はい、ふふっ♡」



 翌朝はお約束通り…陽菜子は片脚からゆっくりとベッドの外へはみ出して落ちて、その音で目覚めた夫は苦笑を隠さずに「おはよう」と挨拶をする。


 そして実際に彼らの元へ可愛い天使たちが訪れるのはもう少し先、嘉島が五十路に足を踏み入れる直前…少なくとも1年10ヶ月は後のことである。



おしまい




*『枯れかけのサキュバス』・『嫁が可愛いので今夜は寝ない』のおまけ話にも嘉島は登場しています。


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