壮年賢者のひととき

茜琉ぴーたん

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2月・勇者は大切ない

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 数日後、吉日。

「よし、改めて…書こう」

 卓上の婚姻届は嘉島の欄は埋められており、あとは陽菜子の分を記入するのみとなっている。

「私、実印登録とかしてないんですよ」

「普通の認印でいいよ、必要なら後々作ればいいし…ん、朱肉朱肉…」

「新庄…陽菜子、これからは嘉島陽菜子ですね…感慨深い…」

陽菜子は完成した用紙を見つめ、もう懐かしむように新庄姓の印鑑をケースに収めた。


「よーし、じゃあ…出しに行きますか、奥さん、」

「はい、旦那さん♡」

 腕を出せばそこに手を絡ませ、二人は寄り添って駐車場へ降りる。

 そして市役所へ向かい無事時間内に提出、かくして歳の差26歳の嘉島夫妻が無事に誕生した。
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