壮年賢者のひととき

茜琉ぴーたん

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2月・勇者は大切ない

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「っきゃ…‼︎嫌です、DVになります!」

「だから忠告したろ、抱くって……そこ、窓…網戸になってるから声漏れるよ」

「お、大声出しますよ!」

 泣き落としで収まる時期はもう過ぎたのだ。

 永く続くはずの結婚生活において嘉島は譲れない条件はとことん主張していくつもりだし、彼女が聞き入れて当然だと思っていた。

「ふっ…いいよ、出しなさいよ…こんなにイライラさせられて、俺も止められねェわ」

陽菜子の両脚を高く掲げて中腰で嘉島も腰を解き、局部だけ上手に取り出して片手でしごく。

「やだ、ッあ、健さんッ!ゴム、あ、」

「俺たち夫婦だろ?ふ…ナマで喰ってみてよ………ほら、挿れるよ……ん、んー…あァ、あー…たまんねェ…はは…なァ、逃げなさいよ」

 滑らかとは言い難い、摩擦に拒まれながらも指で開き、嘉島は陽菜子へ堂々と侵入して艶かしい声を吐いた。

 感情に任せて、一種の賭けであったが陽菜子が気にしたのは避妊だった。

 セックス自体は嫌ではないのだろうと嘉島は勝手な解釈で腰を打つ。

「ッひ……ぁ……あ、けんいぢさ…ゔああ♡」

「ベランダに響くよ、いいの?」

「ひッ…ふ…あ♡ァあ♡やめッ…げん、い…ヒあッ♡」

 言うことを聞かせるための折檻せっかん、サディスティックに攻撃的に、それなのに陽菜子はギラついた男へキュンと胸をときめかせ…逃げもせずに抱かれた。

 もっとも、降ろされたジーンズが足枷あしかせとなって両脚を繋ぎ止めている上に顔の前に固定されているから暴れることも叶わないのだが。

「あー…ヒナ、いいなァ、可愛い若妻…は、キツ♡」

「ぎッ♡っヤ…あぁ、ッふ…ぁア♡あ、」

「ヒナ、俺に、こんな風に抱かれんの嫌だろ?大人しく意見を聞き入れるか、早速実家に帰るか、考えなさい…」

「やメま、ぜんッ……っア!ッふ…げっこん、シたんですもん、意見も、要望もッ♡しゅちょぉ…じマすっ!ギラギラ…しでル、健一さんもッ…好き、だカらッ♡あ、あ♡」

「強情だなッ、うちの奥さんはッ…は、ヒナ、ナマは…どうだよ、いつもと…違うか?あ?」

男性側からすると明らかに違うこの感触と温度、女性側からも同じなのか、隔たりが無いとどうなのか。

 陽菜子は自身に感じてくれているのか、嘉島は暴力的に問う。

「ひグっ♡あ、ぬるぬる、してテっ…は…気持ち、いい、れすッ♡ヴあ、」

「ぬるぬるさせてんのはヒナちゃんだよ…ハ…やべェな、中出し…してもいいか?」

「なに、え?」

語気も勢いも優しくなった、余裕がないことは繋がっているそこからもひしひしと伝わっていた。

「俺の、精子を…ヒナちゃんにッ♡入れて、いいかって…聞いてんだよ、なァ♡」

「え、あ♡分かんない、ひッ♡あ、そこダメです、健一さ♡ア、やら、」

 子宮の入り口に陣取った嘉島はすっぽりとそこにはまり込み、栓をしては開けて密着が過ぎるほどに擦れている。


 10分、15分、20分…はて何が原因でこうなったのかも忘れるほどに昼間の情事は燃え滾り、嘉島はいよいよを迎えた。

「出す、嫁の中に、呑んで、ヒナ、」

ラストスパートはかつてなく猛然と、何かを追い求めるようにただ快楽を楽しむように、機械の如く正確に陽菜子を責めた。

「ふァ♡あ、こわ、い、ひン♡あ、激しッ♡あ、壊れッ、あ♡」

「好きだ、ヒナちゃん、受け止めてくれ、受け入れ、あ、ヒナ、愛してるッ」

「ふぁ、いッ♡」

 紅潮しきった幼妻はその身体で夫を受け止め、

「………っっっあ、あーーー………あ、あー……」

叫びにも似たその声と、とくとく脈打つ主人をはらで感じてびくりと痙攣けいれんを返す。

「あ、あ…うわ……あ……♡」

 これ、愛ですか?聞きたいことは幾つかあったが忘れてしまった、陽菜子は与えられるものを従順に必死に受け止めて涙を流した。
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