彼女の欲望に寛容な彼

茜琉ぴーたん

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「ええんか、ゆっくりするど、」

「ん、ん…あ、ヒロアキくん、来て♡」

「ッ…ッあ……あ、」

「…っ………は、……ひゃあ…」

「ふゥ……入った、ど……無茶すなよ、馬鹿!」

 とても合体中とは思えない顔で伊東は真波を叱責し、けれど彼女はむずむず動くはらを愛おしみながら

「あ、りがとぉ…」

と歯を見せる。

「なんなん、お前…ビッチかと思やぁ処女とか…なんの目的な」

「これだよ、初体験…したいなって…思ったん」

「ほんなら言えや…もっと時間かけてしてやれたじゃろ」

「でも面倒じゃない?処女って重いって言うじゃん?」

「……まぁの」

 なんせ出会ってまだ数時間の仲、お持ち帰りで即セックスでその上処女など…美人局つつもたせの可能性だってあるかも。

 伊東は今さら強面こわもての男が部屋へ雪崩なだれ込んで来やしないかと不安になった。

「へへ…ヒロアキくんね、荒々しいエッチするのかなって…思って、サクッと終わらせてくれるかなって…思って」

「はぁ……痛くてもええんか」

「ちょっとならね、私、ぐちゃぐちゃにされたかって」

優しくされたいのと同量の『犯されたい』願望、もちろん本当に暴行されるのは嫌なので恋愛の範囲で許される程度の荒々しさが欲しかったのだ。

 伊東は思ったよりさらっとしているので少々期待外れではあるが、今回の一番の目的である破瓜はかが達成できたので充分な功労者として礼を尽くすつもりでもある。


 やや呆れ気味の伊東は

「高望みし過ぎじゃろ……ほんなら動くど」

と腰をゆっくり動かし始め、その摩擦に真波はぴくぴく震えて本能で喘ぐ。

「っあ♡ふっ…ぁあ、あん♡」

「どう、想像と、違うか?」

「あ、想像、より、え、えっち、」

「ほうか、良かったの」

 彼は冷めているというか元々が淡々とした塩対応ぽい人間で、それでもセックスに関してはそこそこキャリアがあるので「ここはどうだ」とばかりに真波をえぐって反応を見た。

「ゔあ♡っア、なにぃ、」

「Gスポット、俺も気持ち良い」

 こりこり当たる感触に真波はぽかんと口を開けて驚き、その表情に伊東も「もっと教えてやろう」と一層奮う。

「っは、あ、あフ…ふァあ♡ひろ、あ、ぎ、」

「エロいま◯こしゃーがって…んッ…あ、マナミ、エロい、」

「ふア♡あ、きもぢい、い、あ、あ♡」

「やべ、先に…あ、イきそ、ん、」

「ふ、ウ、」

 セックスってこんな感じなんだ、漫画とは違うんだな。

 大袈裟な事前情報とのギャップに困惑しつつも、真波は伊東の腰をがっちり脚で掴んでホールドした。
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