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しおりを挟む別段ひとりで不自由なかった生活だがそこに現れた色魔のような真波の存在は有り難いような迷惑なような、しかし料理は美味いし家賃は半額出してくれるしで伊東の生活は潤うようになった。
しかして性生活はどうにも合わない。
疲れてぼうっとしているのにいつの間にか自分のペニスをディルド代わりに良いようにされて、けれど気持ちは良いので拒むこともできず。
ある日伊東は「どうにかならんか」と相談を真面目に持ち掛ける。
「…マナ、気持ちはええんじゃけど…勃たすのがしんどいこともあるんじゃが」
「そう?おフェラしたら勃つけど」
「頑張ってコーフンしとるんじゃ…ふにゃふにゃなん見られとうないし…その、ペース落とせんか?」
「えぇ……せっかく一緒に住んどるのにぃ」
果てて皮に籠ろうとするペニスを弄っては、真波は至極残念そうな表情をした。
好きなタイミングでセックスさせてくれる男性なんてそうそう居ないだろう。
その点において伊東は彼女の最適なパートナーなのだ。
「…オモチャとかで…オナニーで処理してくれ」
「え、いいの?見てくれる?」
「見たくはない…隠れてシてくれ、ほんまに…そんなに性欲無いんじゃ」
「ふーん…じゃあそうするー」
実は今でもひとりの時は隙を見てオモチャを使っている真波、恋人のお墨付きを貰ったとあってここから底無しの性欲により拍車がかかることとなった。
・
そんなこんなで同棲して3年ほど経ったある日。
陽も沈んで薄暗い中バイクで帰宅した伊東は自宅アパートの部屋を見上げて度肝を抜かれた。
あまり開け閉めしない高い位置の出窓に、明らかに男根のシルエットが3本ほど天井を向いて下から生えているではないか。
「……っおい、マナミっ⁉︎ありゃなんじゃ、」
急いで階段を駆け上がった伊東は部屋へ入り、
「なに、」
と驚く真波を押しのけて当該窓の小さなブラインドカーテンをまくり上げる。
するとそこに現れたのはまるで神棚、御神体ともとれる性玩具が3体鎮座していらっしゃった。
「ぉいぃ、んなとこにちんちん立てんな‼︎馬鹿‼︎」
「え、ごめん、片付けるとこ考え付かなくて」
「タンスとかあるじゃろうが…」
田舎の安物件だが広さはそれなり、収納だってクローゼットの半分を明け渡してやっている。
「見えるとこに置いてたらすぐさま使っちゃうじゃん、出勤前とか盛っちゃうと困る」
「……狂ってんのか」
「じゃあ相手してよぅ」
「毎日は無理じゃ」
オナニーで処理しろと言った手前所持自体は叱ることができず、伊東は恐々電動ペニスを掴んで降ろし、とりあえず台所の床下収納へと片付けさせた。
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