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2022

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「この先ですよね」

「あ、ここで良いです」

 自宅の最寄りのスーパーに着いたので停めてもらい、降りる体勢に入る。

 一応連絡先は聞いたし、下の名前も教えた、これからは逢おうと思えばいつだって逢える。

 でも理由は、逢う目的は。

 今声を掛けてくれなきゃ、次はもっとハードルが上がっている。


「(お願い、青木さん)」

 送ってもらった礼を述べようと運転席に膝を向けると、彼もこちらに広い胸を向けていた。

「…!」

「舞岡さん、」

「はい、」

 暗いから顔が見えない。

 でもきっと、眉毛は困ってる。

「…好きです。もう、離したくありません」

「…青木さん…」

「臆病で…許して下さい、過去のことも…でも、舞岡さんを担いだあの日から、いや、初めてお見かけした時から…好きでした。自分は…逢えない間、舞岡さんの感触を思い出しては…暖かい気持ちになって…でも寂しかった…もう、離しません、結婚を前提に付き合って下さい」

 うるうるした瞳にメーターの光が反射する。

 内心「やっとキター」と喜びつつ

「ハイ」

と応えるも、青木さんは

「…早くないですか、ちゃんとよくよく考えて下さいよ」

とまさかの差し戻しで感動をぐ。


「考えましたよ。むしろ、考え過ぎちゃいました。いつ告白してくれるのかなーって、ソワソワしちゃいました」

「あ、そうですか…すみません」

「もう、敬語もやめません?私は年下なので自然ですけど」

「んー…いや、でも偉そうになってしまいますし」

 そこからちゃかちゃかと話がまた弾んでしまい、お互いにラフに喋ろうということが決まった。


「一人称は?」

「プライベートだと『僕』、かな」

「新鮮…ねぇ、私のこと名前で呼んでみて」

「あ、あずさ…ちゃん」

「ひゃー、くすぐったい…遼平りょうへいさん、」


 連絡先を交換した際に、我々は遅ればせながらフルネームを知った。

 彼は青木遼平、5月生まれで肉がお好きらしい。
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