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2022

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 定時退勤して、私は徒歩にて待ち合わせ場所へと向かう。

「(こんなことがあると分かってれば、もっとお洒落したのに)」

 仕事中は制服だけど通退勤は私服だ。

 今日はカットソーに透け感のあるブラウスを重ねて、下は幅広のガウチョパンツを履いている。

 はたから見てスタイルはどんなだろう、やはりずんぐりむっくりだろうか。

 ぽっちゃりしていると似合う服も限られていて、しかし以前と比べればコーディネートの楽しみは増えた。

 もう少し頑張れば、Lサイズが常用になる日も来るかもしれない。


「(もう着いちゃった)」

現社屋からは少し遠かったのだが、ファミレスへは10分ほどで到着した。

 仕事終わりの徒歩10分はなかなかの労力だが、ウォーキングは苦ではないのですんなり歩けた。

 彼はうちの社屋が移転したことも知らないから、この場所を指定したのだろう。

 もし知ったら「そんなに歩かせてしまってすみません!」と慌てて謝る気がする。

「ふふ」

 青木さんの脳内再生がはかどる。

 久々に耳にしたあの声、よりたくましくなった体つき。

 でも顔は変わっていない、謝り慣れた眉毛と躊躇ためらい笑う口元。

 逢えて良かった、素直にそう思う。
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