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おまけ

ナツの拝観料・2

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「…そう」

「俺が…俺の会社が潰れそうになった時、給料も減って、同居でも家事負担は全部アキがやってくれて、その上稼ぎも多くて…俺の存在意義が無くなりそうで、イライラした」

 納得のいく回答だったのか、木南はニマニマと笑う。

「へぇ、だから体で奉仕してんのか」

「…違う、アキは尽くすのが好きな奴だから…こんな俺に優しくして尽くしてくれるから、余計に劣等感が膨れ上がってたんだ。勝手に俺が、アキのことを羨んでただけだ…今は給料も安定したし、家事もさせてもらってるから…役には立ててるはずだ」

「お情けで一緒に居てくれてるんじゃない?」

「あのな、道楽で成人男性の世話が出来るかよ…一時期はマジで養われる感じだったけど、そこから這い上がった俺をアキは認めてくれてんだ。嫌なこと言ってややこしくしようとしても、そうはいかねぇぞ…じゃあな!」

俺はフンと鼻息を吐いて、やはりコンビニに入ることにした。

 ちょっとだけシンパシーを感じて答えてしまったが、どうやってもケンカになりそうだから一旦クールダウンせねばと思ったのだ。


『♪~』

 入店すれば、てっきり帰ると思った木南もコンビニへと入って来て入店メロディが重なった。

 そして俺に付き従うように後ろを歩き、レジまで付いて来る。


「(何か買わされる?)」

 カウンターの壁の棚に置かれてる進物ギフトとか注文されて支払わされたらどうしよう、ビクビクしつつ缶コーヒーを店員さんに差し出した。

「奢るよ、これで」

スッと後ろから、スマートフォンを持った木南の手が伸びて来る。

「え?」

「罪滅ぼし」

木南はバーコード決済でチャチャッと会計して、スタスタと俺より先に出て行く。


 店員さんの声に見送られて表に出たが、もうそこに木南の姿は無かった。

「(…俺のチンコ拝観料は、缶コーヒー代と同額ってか?ふざけんなよ…)」


 何はともあれ示談ということか、木南も少なからず俺への済まなさがあったのだろうか。

 それとも「勃たないのに恥をかかせてゴメン⭐︎」の賠償だろうか。

 いずれにしても安いな、まぁ手切れ金として貰っておくけども。
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