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しおりを挟む「ひとりで部屋に帰った。しばらくしたらチャイムが鳴って、ビックリして、モニター見たらエントランスじゃなくてうちの玄関を鳴らしてて。よそのお婆ちゃんの、後ろを勝手について入ったらしいんだ」
「それで?」
「中に入れろって、大騒ぎして…うちの中にまで聞こえる声で。ドアもガンガン叩いて、アキの仕事が無くなっても良いのかって…その、廊下で騒がれて、」
「中に、入れちゃったの?」
ハッと真秋を見つめるも、あまりの真顔っぷりに心情が読めない。
怒っている、呆れている、いずれもか。
「あの、ごめん、仕事部屋で待つからって、書類も持ってたし、俺はリビングで待ってて…そしたら物音がして、あの人咳してて、」
「吸入器を使ってる間、隣に寄り添った…のかな?」
「え、なんで」
「木南のナンパの十八番だよ。それで?もしかして抱かれた?にしては平然とし過ぎだね」
「んなことされてない、さ、触られて…ケツ、見られて…お、俺の職場にもゲイだってバラすって言われて…」
「それで?」
「お、オナニー、して見せろって、それで満足するからって…あ、アキの名前、仕事、変に広まって仕事が無くなっても良いのかって、ごめん、脅され、犯されんのも殴られるのも恐くて、」
はらはらと涙が溢れて、目の前の真秋も恐くて、俺はえぐえぐと子供みたいに泣いてしまった。
でも真秋は慰めてはくれなくて、俺が再び話し始めるのを待とうという姿勢を見せていた。
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