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 話しながらスコスコと擦ること数分、俺のモノは結局勃たなかった。


 木南は俺を蔑む目で見下ろして、身支度を整え始める。

「真秋に見せつけてやろうと思ったのに帰って来ねぇし…飽きたからそろそろ帰るわ。じゃーな、情けねぇとこも見れたし…満足だわ」

「…そうかよ」

「真秋も、君みたいのに執着するなんて、大した男じゃないのかもな。こんなチビで短小でインポなんてよ」

「…ほっとけ…てか短くねぇわ」

俺もズボンを腰まで上げて、枕を抱いて盾のように張り出す。


 木南は鍵を開けて玄関に向かい、靴を履いて俺に振り返った。

「なんか、区切りが付いたわー。興醒め、真秋を過大評価しすぎてたかも」

「あーそう」

「君らがゲイだってことはバラさないから安心しな、そもそも、バラしたところで真秋に痛手は無いよ。そういう時代だ、ただの嫌がらせ…謝らねぇけど…じゃあな」

 木南は飄々と、玄関を出て行った。


 もしかして真秋とエントランスでかち合ったりするだろうか、ともかく俺は仕事部屋の復旧に尽力することにした。

 イスを起こして木南が飲んだらしいカップを片付けて。

 誰も入ってないように偽装工作を施した。

 枕は自室へと運んで洗濯物の続きも片付けて、1人で過ごしていたように思わせなければならない。

「(浮気してる奴って、こんな気分なのかな)」


 短時間で色々あったな、思い返せば俺が意思を強く持って臨めば良かったんだ。

 それを力に屈して尻と自慰行為まで見られて。


 真秋にバレたらどう説明しよう…時計の針が20時を回った頃、やっと真秋から着信があった。

『もしもし、ごめんね、打ち合わせが超延びちゃって。ご飯食べた?』

「ううん、まだ」

『カップ麺とか食べてて良いよ』

「…アキのご飯が食べたい」

『……なに、可愛いこと言うじゃん』
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