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6月
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しおりを挟むその後は繋がったままもう一度昇天し、当然奈々は逃してはくれないので彼女の胎へ注ぎ込み…松井はくったりとベッドへ倒れる。
「ん、ん……あー……ナナさん…あー…気持ち良かった…すごい…あ、ふー………平気…?」
「ん、拭きましょ……わ…いっぱい出たわね、ふふっ♡」
膝立ちになった女陰から滴る白濁は松井が種付けしたもの、奈々は彼の視線を意識しながらティッシュで拭き上げた。
「は…アドレナリンで…気絶しそうだった…」
「お水飲みましょ、……大丈夫かしら…」
「ナナさん、……ありがとうございました」
気怠げに松井が礼を述べると、
「やめてよ、風俗みたいじゃない…」
と奈々はシャツチュニックを羽織り台所へ飲み物を取りに立つ。
「違うよ…教えてくれてありがとう、って…」
「そう、うん…どういたしまして……おめでとう♡」
「やめて、恥ずかしい…」
「冷蔵庫開けるわねー……お赤飯炊く?」
「ナナさん…馬鹿にしないって言ったじゃんか…」
「してないわ、祝いたいのよ♡」
飲料水のペットボトルを見つけた奈々は寝室へ持ち込んで松井へ差し出し、
「子供扱いしてます?」
と睨まれれば
「してないって…ん、ギュってしとく?旭くん」
と笑って両手を広げた。
「ん…ナナさん…ふかふかですね…」
「旭くんも…男らしくって…ゴツゴツしてるのね」
起き上がりまだ落ち着かない心臓を合わせて鼓動を感じ合って、松井はやり切った達成感を噛み締める。
「……なんか……もっと早くナナさんに会いたかったな…」
「そう?でも早く会ってたら私、彼氏居たわよ?」
「あ、そ…」
「出会った時が出会い時なのよ、今がベスト、ね?」
「…確かに…時期がずれてれば上の部屋も空いてなかったかも」
転勤の時期と空室状況、あの歓迎会の日に隣に座らなければここまでの発展は無かった。
松井は奇跡のような出逢いに運命を感じてしみじみと浸ってみた。
「うん、」
「ナナさん…これまで再婚とか、考えなかったの?」
「んー、もちろん検討したこともあったけど…私とだけじゃなくて、娘との相性とかあるし…子供の親になる覚悟が無いって別れた人も居たし…難しいわよね」
それは自分にも降りかかってくる問題なのだろうか、松井はペットボトルのキャップを締めてベッドサイドへ置く。
「ふーん…ちなみに、直近の…彼氏とはなんで別れたんです?」
「グイグイ来るわね…飽きられて若い子と浮気よ…休みも合わなかったし。その前も同じく。その前は……もっと尽くして欲しかったとかも言われたことあるわね」
「え、ナナさん尽くす人じゃん…もっとってこと?」
「ツンケンしてた時代もあるのよ。失敗とか、そういうご意見を取り入れて、今の私になってるのよ…だから、若い時に旭くんと出会ってても、『マウントウザい』って斬り捨ててたかもよ?」
奈々は薄目で松井を見つめて本音を打ち明けてみた。
上司ではなくお互い平社員ならきっと関係性も違ったはず、それを鑑みてもやはりこの春の出逢いがベストタイミングだったのだろう。
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