高嶺の花は摘まれたい

おまけ（全３話）

いざ、たのもう・中編

　今夜、私たちは初めて避妊具を使わず一緒になった。

　タカちゃんは馬鹿みたいに興奮に打ち震えて、私も直に触れる温もりに心身が熱くなる。

「おー…すげぇ」

「はわはわ」

「もうちょっとで、出すからな」

「はわはわ」

行為中に喋れるタイプの私だけど、最終的な到達点を想像して意識が朦朧とした。

「ミーちゃんのナカ、俺のザーメンでいっぱいにしたる、」

「ざぁ、めん？」

「精子や、子種な、んッ、ん♡」

「そぉ、らろッ…」

　いっぱいってそんな、どれだけ出るの。

　事後にゴムに溜まってるのは何度も見たけど、そんなに量が出る訳じゃないでしょう。

「いっぱいな、腹たぽたぽにしたろな、ん♡」

「（何発も、ってこと⁉︎）」

「うし、ん、そろそろな、ミーちゃん、いつもの、お願いよ、」

「う、ん、」


　いつもの、とは私の許可のことだ。

　「イカせて」とか「舐めなさい」とか、私のことなのにタカちゃんに促されて発動する。

　命令のようで依頼なのだけど、タカちゃんは私に行動と生理が制御されるのが嬉しいらしい。

　だから今日も私は察して、

「出しな、ざいッ」

と命令した。


「足りんな、ちゃんと言うて、何を欲しいんや」

「…生意気」

「ほら、なぁ、ミツキさん♡勝手に出てまう♡」

　へこへこと腰を振って、モノを私の中で擦って。

　まるで動物ね、機嫌が悪かったら「じゃあ要らないわ」なんて引き剥がしている。

　でも、今夜は私だって欲しい。

　二人の初めての子作り、これで成せたらとってもドラマチックだと思う。

　私はすぅと息を吸い、タカちゃんのジョリジョリした頭を両手で掴んだ。