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?月・最終章

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「ふ…らめ、じゃない……先に…ふゥ…」

「すんません…うひ……ミーちゃん、大丈夫か?」

「らいじょお、ぶ、」

「ふー…そう簡単にはイかせられへんかぁ…難しいな…成功率上げていきたいね……しっかし優越感、やな…おれのちんこでミーちゃんがこんななるとは…」

 男はニィと笑って使い終わったスキンをびろんと伸ばし、顔の前に掲げて息の上がった女王へと見せびらかす。

「うるさ、い、」

「おし、ミーちゃんが望むプロポーズになるまで頑張るわ」

「…待って、晩ご飯を挟みましょ」


 返事なんて分かってるくせに意地悪ね…美月はルームウェアのパーカーを羽織って台所へと向かい、買って帰ったパンと飲み物をダイニングテーブルへと移し立ったまま開封した。

「あれ、お行儀悪いね」

「うん…お腹空いたの。さっと栄養補給して、備えるの」

「ほう…ほな俺もドリンク精力剤飲んどこ♡」

「……た……純平、頑張りなさいよ」

「はい、全力で」


 裸同然の格好で並んでジャンクなご飯を頬張って、美月は気取らない高石との生活にふと不安もぎる。

 彼女はこれまでお洒落に綺麗に見えるようにしてきたつもりで、家にひとりだろうと裸でうろつくなんてこともしたことが無かったのだ。

 生活レベルや女子力が落ちてしまうのではという懸念が湧き上がるし実際下がっている。

 しかしたまにはそれもいいかも、と口の周りをケチャップだらけにしている男を見ればそう思える。


 彼は理由なく美月を従えて歩いたりしない、いつも並ぶか後ろをついて来てくれる。

 大きいのは身長だけで、彼女が求めれば目線を下まで合わせてくれる。

 思いやってくれるこの男との生活、たまに上位に立たれて泣かされることもあるけれど…きっと悪くないはずね、美月は唇に残るチーズドッグのソースをペロリと舐めて高石を見上げた。
 
「……あたしも、愛…はまだ分かんないけど…純平と一緒に居ると楽しいし、色々尊重してくれるし…あたし、してあげられることがあんまり無いんだけど…でも全部、純平にあたしの全部あげてもいいって…そう思ってる」

「うん…ミーちゃん」

「ん…あ、もう…」

 せっかく抱き合ってロマンチックになりかけたのに、太ももには早くも再起動した高石のたぎりがペチペチと当たる。

「ごめんごめん…ミーちゃんに興奮するから」

「ありがたいけど…くっ付けないで…」

「あー、強気がええなぁ…んー……ミーちゃん…叱ってみて…あ♡」

 ならばと女王がキッと睨んでソレを掴み、

「………純平…こんなにして…悪い子ね、」

と艶っぽくそれでいて呆れたように笑えば、

「うはぁ♡すんません♡」

と嬉しげに答える高石の元気はぴんと天井を向いた。

「………馬鹿じゃないの」

「ありがとうございます♡」

「ふふっ」




 盛り上がった二人はこの後更に励み、美月は案外早い2回戦目の正常位で「YES」を高石へと返すこととなる。


「わが、ッだ、あ、げっごン、すゆッ♡すゆからア、もォぬいてッ♡純平ッ、あ、イっぢゃうゔ♡結婚、しゅりゅう♡♡♡」

「おし、おーし、あ♡んん♡♡♡ほほ…陥落やな、うん♡愛してんで、ミーちゃん♡」

「ひゅう……はぁ♡」


 切れ切れの呼吸の中で美月は優しく笑う恋人の唇を捉え、

「よくできたわね、上手よ」

と頭を撫でて舌を絡ませると…高石は横目で残りのスキンの枚数を確認した。



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