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2月
69
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「いらっしゃーい、どうぞ」
『ほいほい』
インターホンの画面越しに上下スウェットの厳つい坊主を確認し、美月はエントランスのロックを解除する。
しばらくすると玄関チャイムが鳴って、開ければ当然そこにはニコニコと笑う高石の姿があった。
「お疲れ様、ご飯できて…あ、」
「ミーちゃんが先や」
調子を崩してから3週間、かつての勢いをすっかり取り戻した女王の腰を抱き、高石はちゅっちゅとキスの雨を降らせる。
「もぉ、タカちゃん、ん♡」
「ええ調子やんか、今日の配送は半分以上ミーちゃんの売り上げやったで」
生理が終わってから美月はメキメキと調子が戻り、新生活需要の波にも乗って店内売上順位をとんとんと駆け上がっていた。
「きゃ、」
すんすんと鼻先を首筋へ挿して芳しい匂いを嗅いで、高石は復活を讃えながらも気が急いてしまっている。
「ええ匂い、」
「スランプ前に売った分もあるけど…あ、ご飯っ」
「あ?食いながらスるか?」
「生理が終わったらシたい」とは言っていたがすぐに美月本人から指針転換の要請があり、「自分の思い描く復活ができたらシたい」に変更がなされたのだ。
おかげで前回の初体験からおおよそひと月のブランク…高石は本人曰く「ちんこが枯れそう」なほどに悶々とする日々であった。
そして本日ついに売上目標達成、あとはコンスタントに重ねていくだけで悠々月末を迎えられるところまで来て…彼女から『今夜、どう?』とお洒落なお誘いが入る。
当然高石は張り切って仕事を終わらせて向かい、入室してすぐにご馳走に手を掛けたというわけだ。
旨そうな匂いの首筋から胸元へ、部屋着の上からふにふにと触ればぴくぴくとまだ新鮮な反応が返ってくる。
「やだっ…あの、まだ支度が…」
「カマトトぶってんなよ、ミーちゃん、ほら…エロいパンツ履いてるやんか」
「普段からこうよっ…も、タカちゃんッ♡いきなり?」
部屋着の腰元を捲って下着チェック、そのままずり下ろせば明らかに勝負用の黒いレーシーなショーツが小さな尻を覆っていた。
「出会って数秒で合体よ、」
「???あ、」
「AVな、今度一緒に観よ、ん、ほれギンギン…な、ミーちゃん、見て、」
高石はIHヒーターが保温になっているのをチラと確認してから、彼女の尻へ股間を当ててグイグイ押しながら寝室へと誘う。
「見えないって、」
「ん、ほら、どう?」
ベッドへ雪崩れ込んで男は膝立ちになり、高い位置からスウェットをずらし反り立つソレを自信満々に掲げて、寝そべる女王へと謁見した。
「うん、すごい、あの…」
「形はどうなってる?」
「は?どうって…普通の…」
「俺以外のちんこ、知ってんのか?」
「いや、知らない……あの、」
絵に描けと言われれば描くのだがどうにも言葉では形容し難い、美月はどの部分から表そうかと先から根元まで視線を動かす。
「先は?どうなってんねんな」
「さ、三角?あの…矢印みたいな…膨らんでて…」
「色は?」
「他の…皮膚より…なんだろ……あか…い?焼けてるみたいな…くろ、い…」
「ほぉ」
黒光りとは勲章のようなもの、高石は上も下も脱いで丸裸になり、使い込んで焼けたソレを自身で撫でて強度を足した。
ちなみにだが陰茎の黒ずみはセックスによる使い込みとはあまり関係が無いらしく、自慰行為や下着との擦れなどの摩擦による外的要因が大きいらしい。
彼の場合もそうで、立派な御神体を収めるパンツとの擦れ、そして力強いオナニーによるものであった。
本人はそうだとは自覚してはいないようだが。
「嬉しいね…硬そう?」
「う、ん、たぶん…」
「挿れたい?」
「い、挿れたい…」
美月は股座から目を逸らせず、しかし希望を述べると顔を手で隠して湯気が立ちそうなほどに紅潮した頬を冷やす。
実にひと月ぶりのセックス、高石は部屋着のモコモコショートパンツを脱がせながら、まだまだビギナーのソコへ舐めた指を添わせた。
「ほな慣らそ、ん、どうかな…」
「んッ……あ、あ、」
「濡れてんね…ミーちゃん、やっぱり準備万端やん」
「違う…勝手に濡れちゃうの…」
意図的に濡れをコントロールできるとでも思っているのだろうか、高石は「それがそういうことなのに」と思いながらもそれ以上は追及せずにおく。
そして白い手を剥がしてモコモコのパーカーも脱がし、黒いランジェリーを纏った女王を文字通り拝んだ。
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