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2月
67*
しおりを挟むそれぞれに風呂を済ませて寝る準備をして、寝室に入れば美月は高石をベッドへ掛けさせてその膝に乗る。
そして大木に掴まるコアラの様に、脚を大きく開いて高石の腰を挟みその胸に顔を寄せた。
「ミーちゃん大丈夫?その…股」
「大丈夫よ…この方が安心するんだもん…」
「俺が大丈夫ちゃうねんけどね…ほほ」
これではまるで対面座位、高石の股間には生理用品分厚みを増した美月のパジャマがフィットする。
「ねぇ…タカちゃん、」
「うん?」
「よしよし、って……して?」
「ほう」
懇願するようでいて命令形のその言葉に気を良くして、高石は大きな手のひらで彼女の後ろ頭を撫でて空いた手を腰に当ててやった。
「ん……いいわね…安心する……あたし赤ちゃんみたいね…ふふっ」
「甘やかしたるよ、ミーちゃん。愚痴でも弱音でもどんどん吐いたらええねん」
「そんなに溜まってないわよ……まぁ…今回の人事異動には正直、不信感よね…新しいPCの小笠原フロア長はいい人だけど副店長なんかパワハラセクハラが服着て歩いてるようなもんだし女性蔑視は甚だしい割に目線がいちいちイヤらしくって気持ち悪いしなんであれが降格せずに副店長職に居続けられるのか分かんない」
「止まらへんな」
無闇に人の悪口を言わない美月がここまで言うのは珍しい、よほど溜め込んでいたと見えて高石は苦笑する。
「言葉にしちゃうと意識してそうとしか思えなくなっちゃうから黙ってたのよ…気持ち悪いわ、エロオヤジ。バイトの…学生時代のね、結婚式場のバイトしてた時の酔っ払い客を思い出しちゃうの。前も話したでしょ、おめでたい席だからって気が大きくなっちゃって…」
「うんうん、頑張ってんなぁ」
その後も彼女はしばらく最近の嫌なことをつらつらと吐き出し「ふぅ」と息をつく。
見下ろして目尻を下げる高石と目が合ったら少し穏やかに笑い、
「…タカちゃんは?仕事でイヤなことってないの?」
と愚痴は言い終わったことを暗に伝えた。
「ん、俺?んーーー……そらワガママな客に当たったら嫌よ。肉体労働者や思うて過剰に偉そうにされるんも腹立つかな…女性やったらご褒美やけどな、ほほ」
「そう…タカちゃんも仕事の愚痴は言わないわよね、そういうところ好き♡ふふ…ん…ホッとする………ほんと早く…生理終わらないかしら…」
厚い胸板に顔を付け、浮いた乳首を発見した美月はムラムラと性欲が湧き上がってくる。
「うん?」
「タカちゃん、…エッチ、したい……ダメね、1回シちゃうとこんなこと…自分から言うなんて…」
「ネガティブ出てるよ、ポジティブにさ、ミーちゃんなら上からもの言うても構へんから…な、」
「せ、生理が終わったら……だ、抱きなさい……合ってる?」
「大正解よ…もっと強気に言うてみよ、」
寝間着越しに乳首に伝わる吐息の温もりに高石は「ほほ」と悶えた。
そのニヤついてたるんだ頬を両手で掴み、
「あたしを抱きなさい、」
と至近距離で睨めば男は眉尻を下げて
「うんうん」
と応える。
「全力でよ」
「かしこまり」
「すぐにへばったらお仕置きよ」
「是非に」
「ぷはっ♡なにそれ、あはは…きゃ、」
美月をお姫様抱っこに変えた高石はベッドの中央へ動いて背中を倒し、寝る体勢に入った。
「俺はミーちゃんからなら叩かれても縛られてもギンギンになるよ」
「シないわよ…あはっ…馬鹿ねぇ、タカちゃんったら」
「ほほほ」
「あ、ごめんなさい…漏れちゃうからやっぱり仰向けで寝るわ」
「オーケーオーケー」
盛り上がった高石は徐々に萎え、二人は肩先だけちょんとくっ付けて朝までぐっすりと眠るのだった。
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