上 下
63 / 96
1月

60

しおりを挟む

「ゔぁあ♡は、らめ、らめぇっ…タカ、ぢゃ、やめ、そこッ、らめ、ッア♡」

「あー、イきそやわ、すまん、先に…イってええか?」

「イっで…」

美月はぽこぽこと高石の動きに合わせて上下するはらを上から護るように押さえて、「やっと終わる」といった面持ちで口を動かす。

 しかし高石が求めていたのはハッキリとした「許可」で、

「ええか?て、なぁ、ミツキ!」

激しいスパートの中で今一度彼女へそう問うた。

 責められているのは自分なのに上位に立っているのも自分、関係性のねじれがややこしい。

 しかし汗を垂らして必死に腰を振る高石の姿には「奉仕」という言葉が実にしっくりと嵌り…

「イって、イきなざ、いッ!」

と高飛車に命令してやれば、

「あ、ぅあ、ぉーーーー……おーし、おー…」

と堪らなく気持ち良さげな顔をして彼は果てた。


「……ふー………ハァ、おー…ほほ…ようけ出た…ミーちゃんへの愛やで」

「馬鹿、も、もう動けな…」

「ん、また、ちょっとずつ慣らしていこ、だんだん良くなっていくよ……ほら見て、ミーちゃん♡白い」

 ゆっくりと引き抜いてその量を確認させれば、美月は蔑んだ目でチラと見て、すぐに顔ごと背ける。

「包むなり捨てるなりしてよ………あ、血は?」

「んー?……最初だけやったね、出ん子もおるらしいで?」

「そ、そう……ふー……あたしも…やっと…」

思い描いていたロマンチックな破瓜はかとはいかなかったが、美月は大仕事を終えて脱力し、脱ぎ捨てた恐怖と今までの葛藤を回想して天井を見つめた。

「開通したからバイバイとか嫌やで?」

「しないわよ、馬鹿。こんな面倒くさい女、タカちゃんしか付き合ってくれない…てか何よ開通って」

「そういうことにしとこ、ん、パンツは履いてな。くっついて寝よ」

 スキンをゴミ箱に入れて戻ってきた高石は落としていたショーツを渡し、穿かせてやる。

「待って、晩ご飯がまだよ。夕方でしょ?」

「あ、せやった…ん、でも眠たない?」

「んー…眠い」

「ちょっと昼寝してさぁ、風呂入って、んで…夜のエッチしよ、ミーちゃん」

高石は猫のようにその大きな体躯を丸めて美月に寄り添い、まだボディーソープの香りが残る首筋に鼻を当てて目を閉じた。

「何が違うの…」

「雰囲気やな、うん…いや、俺も疲れたよ…正直…別れる言われても仕方ないやり方やったし…ごめん」

「いいわよ…時折思い出してはチクチク言うかと思うけど」

美月は鼻からため息を逃して唇を触る。

 いきなり口に詰め込まれた布の感触とその後のインパクトは、これまでに遭遇してきた変質者や痴漢の中でも断トツの恐怖だった。

「うん…あ、あれはどやった?クンニ」

「…何あれ…恥ずかしいにも程があるわよ…」

「でも良かった?」

「よ…かったけど…あ、あたしもシた方がいい?」

 当初の高石の危惧通り彼女は「お返し」を考えているようで、知らないフリをしてとぼけても良かったのだが

「ん?フェラ?せんでええよ、そういうのは求めてへん。いや、嬉しいけどね」

と素直に答える。

「勉強しとく…」

「そら楽しみやね…ん…やっぱ腹減ったわ、ミーちゃん」

「うん、ご飯にしましょ」


 二人は適度に汗ばんだ体でむくりと起き上がり、高石はショーツ1枚の美月へ「ハイ」とエプロンを差し出してまたひどく睨まれた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

優しい先輩に溺愛されるはずがめちゃくちゃにされた話

片茹で卵
恋愛
R18台詞習作。 片想いしている先輩に溺愛されるおまじないを使ったところなぜか押し倒される話。淡々S攻。短編です。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

【R18 大人女性向け】会社の飲み会帰りに年下イケメンにお持ち帰りされちゃいました

utsugi
恋愛
職場のイケメン後輩に飲み会帰りにお持ち帰りされちゃうお話です。 がっつりR18です。18歳未満の方は閲覧をご遠慮ください。

別れを告げたら、赤い紐で結ばれて・・・ハッピーエンド

KUMANOMORI(くまのもり)
恋愛
玖珠那々巳(くす ななみ)は同じジムで働く三河慧梓(みかわ けいし)と付き合っている。 慧梓の浮気疑惑が持ちあがって、別れを告げたところ・・・ 赤い紐で結ばれてしまって結果ラブラブに? 天然モテ男で元カレの鳥府潤(とりふ じゅん)がやって来て、不穏な予感。 那々巳にトラウマを植えつけた天然男は相変わらずで・・・ 那々巳に知られることなく重なる・・・ 誤解×誤解? 一途なラブの行方は? 大人のカジュアルラブストーリー。

【R18】隣のデスクの歳下後輩君にオカズに使われているらしいので、望み通りにシてあげました。

雪村 里帆
恋愛
お陰様でHOT女性向け33位、人気ランキング146位達成※隣のデスクに座る陰キャの歳下後輩君から、ある日私の卑猥なアイコラ画像を誤送信されてしまい!?彼にオカズに使われていると知り満更でもない私は彼を部屋に招き入れてお望み通りの行為をする事に…。強気な先輩ちゃん×弱気な後輩くん。でもエッチな下着を身に付けて恥ずかしくなった私は、彼に攻められてすっかり形成逆転されてしまう。 ——全話ほぼ濡れ場で小難しいストーリーの設定などが無いのでストレス無く集中できます(はしがき・あとがきは含まない) ※完結直後のものです。

壁の薄いアパートで、隣の部屋から喘ぎ声がする

サドラ
恋愛
最近付き合い始めた彼女とアパートにいる主人公。しかし、隣の部屋からの喘ぎ声が壁が薄いせいで聞こえてくる。そのせいで欲情が刺激された両者はー

処理中です...