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12月
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しおりを挟む食事が済んだら布団を2組隙間なく敷かれ、照れる美月をよそに高石はいそいそと出かける準備をし始める。
「え、タカちゃんどこか行くの?」
「混浴の露天風呂とやらに行ってくるわ。付いて来てもええけど入ったらあかんよ」
「えぇ…見るのはいいの?」
「ええよ、俺の女やって見せびらかしたいから。付いといで」
二人は暗い中を少し歩いて、浴場に着くと高石は脱衣小屋へ入る。
美月は浴場のほとりの涼む用のベンチへ腰を下ろした。
浸かっているのは男性が3人ほど、浴衣に半纏の美月が座った途端にジロジロと視線をくれる。
「(人が入って来たら見ちゃうものね。むしろこの場合、入らずに見てるあたしの方が不審者よね…)」
今日は悪い日に当たったのかもしれない、男性のうち1人が立ち上がって「ふぅ」と、当然だが全裸で涼み出した。
「(あー、見せたい系の人か…いやでも、浴場だから当然の行為…むしろあたしの方が…)」
暗いからといって前を隠しもしない男性を見ないよう、美月は湯気に当てられた風に持参した団扇をパタパタとかざして視界を遮る。
すると、そこに元気な男の声が響く。
「ふー…、ミーちゃん、おまたせ!」
「………ひっ!」
そこに居た全員が入り口の方へ振り返れば、御神体を隠しもせず堂々と揺らしながら闊歩する高石の姿があった。
「ちょ、タカちゃん、か、隠しなさいよ!」
「ん?風呂なんやから。悪いことあれへんやん、ねえ、皆さんも…」
話を振られた他の客3人は高石の股間へ刮目し、こちらへ背中を向けたまま出て行ってしまう。
「なんや、のぼせたんやろか?ほほほ」
「タカちゃん、いいから…浸かって、見えてる、」
「ん?合法よ、見てもええねんで?」
「あとで、後で見るからぁ!」
これのツレだと思われたのか…と美月は恥ずかしい思いがしたが、高石に礼を言えば
「ん?俺は堂々と風呂に入っただけやで?」
と真面目に取り合ってもらえなかった。
その後、温まった高石を部屋に置いて美月は大浴場を使い、しっかりとこの夜に向けての身支度をするのだった。
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