高嶺の花は摘まれたい

10月

21

　翌朝。

　美月は横向きに寝るのが落ち着くのだろう、高石を蟹挟みの状態で朝を迎えていた。

「ミーちゃん…あかん…勃ってるから…」

「ん…あ、ごめん…抱き枕みたいで気持ち良かったの……んふ…おはよう」

「おはよう…ちょい、あー…」

　高石は寝起きで要領を得ない美月を引き剥がしてトイレへエスケープし、なんとか暴発は避けられた。

「は…早う…いや…じっくり……あぁー…」

　３年待ったのだからこれしきの辛抱は何でもないはず、しかしその味を早く知りたい。

　でもお預けの先のご馳走の旨さたるや…高石は来週のお泊まりに望みをつなげるのだった。



つづく