高嶺の花は摘まれたい

茜琉ぴーたん

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2月

73

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「美味い」

「ね、良かった、これね、お高い油なのよ、風味が違うでしょ?」

「んー……美味い」

「もぉ、」

相変わらず何を提供しても同じリアクションの男へ苛立ちながらも、美月は笑って頬を紅く染めた。

 自分から逸れることのない高石の視線、それはエプロンで包まれた素肌の胸と顔とを往復し、咀嚼そしゃくの合間にニヤリと口角が上がればじゅんと内側から潤っていくのを感じる。

「ミーちゃんの裸エプロンならなんでもご馳走やな」

「変態」

「うん、せやで」

「ばか、」

彼女の頭は食後にあるかもしれない2回戦のことでいっぱいで、なんて自分は淫乱なのだろうと高石への言葉を自身にも向けて放っては唇を甘く噛んだ。


「ふー…ごちそうさん。よーし……食べ終わんの、待ってんで、ミーちゃん♡」

「え、うん、うん…」

「ソファーで対面座位な、」

「タイメン剤?うん、うん…?」

聞き慣れぬ単語の字面を想像しつつ、美月は食事を腹へ流し込んで片付けもそこそこに…胸と尻を揺らして高石の膝に乗る。

「色んなこと、教えるから」

「うん?怖いのは嫌よ?」

「気持ちいことよ」

「ならいいわよ、あ♡」

「おし、頑張ります、よ、」


 高石は今宵も、持てる力を美月へ全振りしては誠心誠意仕えるのだった。



つづく
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