高嶺の花は摘まれたい

茜琉ぴーたん

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12月

47

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「おかえり」

「た、ただいま…」

美月が部屋へ帰ると枕元の行灯あんどん型のライトだけが明かっていて、薄暗い縁側に高石が腰掛けていた。

「どやった?大浴場」

「あ、柚子ゆずがね、たくさん浮いてて…露天もあった。あとサウナ」

「ほー、俺も明日行ってみよ」


 洗顔用具を荷物の側へ置き、縁側へ足を踏み入れれば高石は長い腕でその腰を巻き取り胸の中へ抱く。

「あったかいな、」

「んっ……タカちゃんも…あったかい♡」

「どやろ…恐い?」

「恐いけど…シたい!」

美月から高石の太い首へ腕を絡めて口付けをすれば男は少しよろけて、しかししっかりと抱き留めて布団へと運搬した。

「お姫様抱っこや」

「うん、あの夜と同じね」

初めて高石を部屋へ入れたあの日、初めて風呂を貸し宿泊をさせたあの日、高石の方から手を出すように仕向けたあの日。

「あ、泣いたらやめてね」

「ミーちゃん、色んな種類の泣き方があんねん。嫌で、痛くて、嬉しくて…とか。嫌やったら、俺の腕噛んでくれるか?流れでイヤイヤ言われても、建前や思うてまう」

「わ、かった…ありがと」


 高石の長い戦いが始まった。

 何度見ても美しく艶かしい胸、今日初めてまともに見たヘソから下の秘密のゾーン。

「ええおっぱいやな、うん」

「タカちゃんの裸…さっき見ておいて良かった…少し心の準備ができたもの…」

混浴の露天風呂で見せられた高石の全裸、本人は決して計算したわけではなかったがいい方向へ向かっているらしかった。

「順番でいうところの…Bやな、チューはした、その次…裸合わせて…イチャイチャしよか」
 
「うん……あ、はっ♡くすぐったい…」

 薄暗い部屋の中でモゾモゾと布団が波打ち、少し経つとじっ…と動かなくなる。

「はぁー、ミーちゃん。スベスベやな、柚子湯の効果やろか」

「そうかな…あ、ちょっと香りが付いてる…?んっ♡」

胸に埋もれる短髪の頭を愛しそうに撫でる、美月は太ももに触れる高石のその温度を感じながら甘ったるい息を吐いた。

「うん、女体盛りにちょうどええわな、ほほ」

「ばかじゃな……ッきゃ、ア、」

 寝ながら対面したまま、右の人差し指を彼女の真ん中へ当ててふにふにと擦れば、身震いで反応が返ってくる。

 湯の中とは違い、サラサラと掠れて摩擦を感じた。

「ミーちゃん、オレ指も太いねんけど、入れてみても大丈夫かな?」

「やっ、……早くない…?そんなもの…?」

「ん、力抜いて」

 指先を舐めて少し奥へ進めると、美月は歯を食い縛っていつになく無様な声を上げ目を剥いた。

「ア、ひッ…ぁかちゃ…」

「ん、ミーちゃん、もうちょっとだけな、」

 用心しながらもう少し侵入させれば、ごつごつした関節がアクセントのように麗しい表情を歪めた。

 入り口付近の周囲、いわゆる処女膜に触れて擦れて痛いのだろう。

「痛そうやな、やめとく?」

「これ、ほんとに入るの…?」

「慣らせば入るよ…んー、今後のために今日頑張る?あんまり辛そうやとオレも勃たへん」

「えっ……スる、シたいの」

「んー、わかった。待ってな」


 強情な美月、本当は逃げ出してしまいたいくらい怯えているくせに自分からは退かない。

 高石は中断を念頭に置きながら、調子にして8分目ほどの自身にスキンを纏わせた。
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