高嶺の花は摘まれたい

茜琉ぴーたん

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12月

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「お湯から上がったら寒そうね」

「すぐバスタオルやな……ん、ミーちゃん…」

高石は湯にぷかぷかと浮かぶ白い丸に目を奪われる。

 胸は見るも触るも吸うも許されているのだが、一緒に風呂に入ってもいつも濃い入浴剤を使われて、お互いの裸体をきちんと見合ったことは無いのだ。

「おっぱい、浮いてる。きれい」

「浮いてる…わね、見ないでってば」

美月は語彙ごい力を無くした高石を嗜め、少し距離を取った。

「ええやん、ミーちゃん。俺も見て、ほら自慢の体よ、これで稼いでんねん」

語弊があるがそうに違いない、高石はラット・スプレッドのポージングをとりアピールする。

「重たいもの運んでるものね…痛めたりしない?気を付けてね…」

「大丈夫…と言いたいとこやけど、配送で回れるんはあと10年くらいやろうなぁ。体力的に…その後はドライバーか、若手のサポートやな。まぁぼちぼちやるよ」

「大丈夫よ、あたしはお婆ちゃんになっても続けられる仕事だもの。あたしが稼ぐわ、ふふっ♡」


 それは事実上のプロポーズか、将来を見据えてくれている美月の想いに触れ、高石は襟を正すどころか一層…燃えてしまった。

「ミーちゃん、下も見て、んで見して、」

「えっ、やだッ」

ちゃぷちゃぷと湯の飛沫しぶきを立てて美月に迫れば、逃げ場の無い彼女はあっさりと高石の腕の中に捕まってしまう。

「裸でハグは…気持ちええな」

「ん…気持ち…いい…」

膝にちょろちょろと触れる高石の股間、肉と皮と毛の感触が流れに任せて付いて離れて彼女を惑わせる。

「タカちゃん…あ、当たってる…」

「当ててんのよ。ミーちゃんのも触っていい?」

「だ、め。まだ…きれいにしてない…」

 しっかりと下の毛を整えているくせに何を言っているのか…高石は「ふーん」ととぼけながら体操座りになったふくらはぎの横から腕を滑らせ、その茂みの奥に指を当てた。

「キャアっ!」

飛び上がる様に美月が短い悲鳴をあげ、水面が揺れて溢れたお湯が排水溝をゴポポと音を立てて流れて行く。

「ミーちゃん…落ち着いて」

「落ち、着かないッ…あ、やだッ…あ…」

「おっぱいはええ?」

聞いておいて答えは待たずに…高石はたわわな胸へ慣れた仕草で顔を埋めた。

「タカちゃん…恥ずかしい…」

湯気に巻かれて羞恥に頬を染め、冬だというのに汗をかいて。

 美月は下唇を噛みながら、自分の乳首に吸い付く男の肩を抱く。

「ほな、目ぇ瞑っててもええよ、どうせ今夜は真っ暗にしてスるから。感触に慣れときぃな…俺のも触ってくれる?」

「触る…だけよ?」

高石は美月の手を引いて股間に持っていき、揺蕩たゆたう肉棒を握らせた。

「わっ………あ……あ♡は♡結構…柔らかいのね…」

「ん?聞き捨てならんね」

男性にその言葉は禁句である。

 高石は美月の股から指を離して胸を揉み、生意気な唇を唇で塞ぐ。

「手ぇ、離したらあかんよ」

キスで、胸で、自身を触られて…たぎった高石をてのひらで実感した美月は「ふぐぅ」と間抜けな声をあげて彼の唇から逃げた。

「硬いやろ?な?ミーちゃんにあてられてガチガチよ…な、触っとき」

「あ…硬い方がいいの?」

「そらそうよ…んッ♡あー…ヤバいな、夜まで待てへんわ」

「すべすべ…気持ちいい…♡」

「ありがとうございますッ♡もっと…触って、ミツキさんッ♡…………あ」

「ナニソレ……ちょ、ちょっと、タカちゃん、タカちゃんッ⁉︎」


 真っ赤にのぼせた高石は彼女に被さるように倒れ込み、溺れかけた美月は命からがら彼を引き揚げて部屋まで戻った。
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