高嶺の花は摘まれたい

茜琉ぴーたん

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10月・おまけ

バスタイム

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「タカちゃん、いいわよー、入って来て」

「おーし……えぇ…」

 意気揚々と浴室へ進んだ高石たかいしの出鼻をくじいたのは、浴槽の美月みつきの体を隠す濃い白濁のお湯であった。

「ミーちゃん…詐欺サギや…おっぱい見えへんやん…」

「普段見てるじゃない…あたしが、タカちゃんの体を見ないようにするための措置よぅ」

美月は入浴剤が入っていた小さな袋で目線を遮り、高石の体を見ないように工夫を凝らす。

「何のために一緒に入るんか分からへんな…」

「お話したりするためでしょう?嫌ならいいのよ、あたしはお風呂はひとりで入りたいもの…」

 少ししょんぼりと、しかし忌々いまいましそうな顔で美月が口を尖らせるので高石は慌てて訂正した。

「う、嘘です、ミツキさん!一緒に、是非ご一緒したいです、」

「体洗って、そしたら…一緒に浸かって、ね」

「ほいほい…」


 清潔感のあるバスルーム、美月のボディーソープを使って高石は頭から足先まで一気にそれで洗いきる。

「え、シャンプー使わないの…?」

鏡の映り込みに注意しながら、美月は高石の洗体の様子をチラと盗み見る。

「いや、坊主やから…」

「そっか……エコでいいわね」

「そういう前向きなミーちゃんもええと思うわ」

 シャワーで泡を流し切ったら美月はまた目線を切り、高石は股間まで湯船に浸かって留まった。

「肩まで浸かったらあふれるな」

「あら…いいわよ?仕方ないもの…」

艶かしい上半身が目の前にあっては美月は視線をずっと隠していなければならないし、仲良く浸かれば互いにたっぷりの湯量で温もれる。

「フーン、ほんまにええんやな?」

高石は言質げんちをとってからしっかりと湯の中へ腰を下ろす。

 当然だが湯は溢れ、縁のギリギリまでの量で張力を発揮して時折こぼれてはゆらゆらと揺れた。


「ふーー……ええ風呂やなぁ、広い」

「うん…あ、タカちゃん、耳の所に泡が…」

 美月が右手の水気を少し払って高石の左耳へ伸ばすと、向かい合う男はすかさず両手を彼女の胸へ当てがって鷲掴みにする。

「!………すると思ったわよ…」

「ガードが緩なったから…触られるんはもう慣れた?」

反応が無いと少々つまらない、高石は白い湯の中で乳首を摘んで集中攻撃を仕掛けた。

「んもう…どんだけおっぱいが好きなのよぅ…あン♡引っ張、ら…ナイでぇ…」

「赤ん坊が吸い付きやすそうな乳首よな、顔に似合わず乳輪も大きうて、色っぽいわ」

「持って生まれた物だから仕方ないじゃない…あ、あたしよく知らないんだけど……色…とか…あたしの、どうなの?」

 美月は首をすくめて刺激に耐えながら、果たして自分の乳周りの環境の評価は如何いかがなものかと高石へ尋ねる。

「色?あー、ピンクがいいみたいなこと?都市伝説ちゃうの?ミーちゃんは…女性らしい色やと思うけどなぁ」

「そう…ならいいの…」


 黒っぽければ遊んでるとかピンクなら清純とか…自分は経験も無いのに色が濃い目であると認識があった美月は、高石の言葉をもってその心配を水面に浮いた髪の毛と一緒に流し捨てた。





「よし…そろそろ出ましょうか…タカちゃん、先に着替えてくれる?」

10分も浸かれば湯も冷めてくる、話もできたしと美月は高石から上がるよう促す。

「ええの?立つよ?」

「目隠ししてるから平気よ、行っちゃって」

「ふーん…」

何か含みのある高石がザパァと湯船から上がると、その湯量は美月の鳩尾みぞおちの辺りまで下がって落ち着いた。

「あ」

「な?おっぱい丸見えやん」

「は、早く出てってよ…」

「ほいほい…上がったらちゃんと触らせてな」

胸を隠し唇を噛み、己の考えの足りなさを恨むその表情が可愛い。


 高石は脱衣所でパンツを履いてからすぐにリビングで瞑想にひたり心身の火照ほてりを冷ます。


「ミーちゃん……あー…」

 とりあえず今は互いの体に慣れること、胸は許されたので徐々に下へ向かうか?それともこちらの乳首も責めて貰うか。

 男性器に慣れてもらわないことには話が進まない、しかし焦ることでもないか。

 ぐるぐると葛藤する高石の背後に湯上がりの美月が立って、

「タカちゃん、」

と声を掛ける。

 男が振り返ればそこには上を着ずに胸を露出したままの女神が居り、

「さ…触ってもいいわよ…」

と許可を与えて下さるので、高石はありがたくその恩恵を受けるのだった。


「ありがとうございますぅ♡」
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