高嶺の花は摘まれたい

茜琉ぴーたん

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10月

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 10月某日の夜。

「あー、楽しかった…ふふっ♡」

「なんで呑むかな、ハンドルキーパーやったのに…」

 棚卸しお疲れ会兼ハロウィンパーティー、派手な肩出しスタイルの美月みつき高石たかいしの腕にもたれてコインパーキングまで千鳥足ちどりあしで歩いていた。

 数人乗せてきた美月が予定外に飲酒、他に送迎できる人が居たから良かったものの高石にとってもまったく迷惑な事だった。

「だってご飯も美味しかったんじゃもん、さっき聞いたら、オーナーが広島出身らしいんよ、ふふっ、流石さすがじゃわぁ」

「転ぶで、おい…」

「ん、」

 美月は酔うと要らぬ事を喋ってしまうし、アルコールで首まで真っ赤になってしまうのにそこが露わになる服装だし。

 高石はヒヤヒヤしながら見守っていた。

 恋人がいると公言しているからちょっかいを出す強者は居ないが、それでも紅潮した肌とうつろな目、無造作にまとめた後ろ髪から覗くうなじ、他の男の前にホイホイ簡単に晒すのだからたちが悪い。

 素面しらふならもっとガードが堅いのだが、呑み会になると女王といえども緩みがちだ。

「ミーちゃん、もっと警戒してや、屈んだら胸も見えるわ」

「そう?見る?ふふっ」

「後でな、」


 二人は交際を始めてから僅か1週間、しかしこれまでの3年の下積みがあるので高石は自分が彼女の一番の理解者だと豪語する。

 出会ってからの交友遍歴は全て把握しているし、彼女に好意があるにも関わらずそれらを見届けて励ましてきた忍耐の人である。

 その高石にも黙っていた美月の秘密、それは多くの男性と浮名を流しながらもいまだ清い体であるということだった。

 その秘密を高石が知ったのも酔った状態の彼女からだったし、今夜のように楽しくフワフワしていては特に何を暴露するか分からない。

「早よ、車に戻ろうねー…」

「うん、うん♡」


 むぎゅうと腕に押し当てられた胸、高石はまたしても無自覚な美月に試されている。





 さて、美月の純潔を貰うにあたっては、高石は非常に頭を悩ませている。

 彼は処女を抱くのは初めてである、正直怖いし痛がるだろうし、何より…普通に入るのか不安であった。

 美月もまだ直接目の当たりにしたことは無いが、高石の御神体は日本人男性の平均よりだいぶん大きいらしいのだ。

 自慢するわけではないが最寄りのドラッグストアに合うサイズのスキンが置いてないので、高石はいつもはネットで注文している。

 いつもと言っても美月に惚れてからは抱いたのはどうにも堪らなかった時に風俗嬢を3度だけ、ほとんどは本番なしのマッサージ店などが主であった。

 自慰行為でもスキンを消費したためちょうど今は手持ちを切らしている。

 購入にあたっての男性器の計測、これを美月にさせてみようか、などと不埒ふらちな考えを持って高石は車を出した。
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