高嶺の花は摘まれたい

茜琉ぴーたん

文字の大きさ
上 下
14 / 95
10月

14

しおりを挟む

 10月某日の夜。

「あー、楽しかった…ふふっ♡」

「なんで呑むかな、ハンドルキーパーやったのに…」

 棚卸しお疲れ会兼ハロウィンパーティー、派手な肩出しスタイルの美月みつき高石たかいしの腕にもたれてコインパーキングまで千鳥足ちどりあしで歩いていた。

 数人乗せてきた美月が予定外に飲酒、他に送迎できる人が居たから良かったものの高石にとってもまったく迷惑な事だった。

「だってご飯も美味しかったんじゃもん、さっき聞いたら、オーナーが広島出身らしいんよ、ふふっ、流石さすがじゃわぁ」

「転ぶで、おい…」

「ん、」

 美月は酔うと要らぬ事を喋ってしまうし、アルコールで首まで真っ赤になってしまうのにそこが露わになる服装だし。

 高石はヒヤヒヤしながら見守っていた。

 恋人がいると公言しているからちょっかいを出す強者は居ないが、それでも紅潮した肌とうつろな目、無造作にまとめた後ろ髪から覗くうなじ、他の男の前にホイホイ簡単に晒すのだからたちが悪い。

 素面しらふならもっとガードが堅いのだが、呑み会になると女王といえども緩みがちだ。

「ミーちゃん、もっと警戒してや、屈んだら胸も見えるわ」

「そう?見る?ふふっ」

「後でな、」


 二人は交際を始めてから僅か1週間、しかしこれまでの3年の下積みがあるので高石は自分が彼女の一番の理解者だと豪語する。

 出会ってからの交友遍歴は全て把握しているし、彼女に好意があるにも関わらずそれらを見届けて励ましてきた忍耐の人である。

 その高石にも黙っていた美月の秘密、それは多くの男性と浮名を流しながらもいまだ清い体であるということだった。

 その秘密を高石が知ったのも酔った状態の彼女からだったし、今夜のように楽しくフワフワしていては特に何を暴露するか分からない。

「早よ、車に戻ろうねー…」

「うん、うん♡」


 むぎゅうと腕に押し当てられた胸、高石はまたしても無自覚な美月に試されている。





 さて、美月の純潔を貰うにあたっては、高石は非常に頭を悩ませている。

 彼は処女を抱くのは初めてである、正直怖いし痛がるだろうし、何より…普通に入るのか不安であった。

 美月もまだ直接目の当たりにしたことは無いが、高石の御神体は日本人男性の平均よりだいぶん大きいらしいのだ。

 自慢するわけではないが最寄りのドラッグストアに合うサイズのスキンが置いてないので、高石はいつもはネットで注文している。

 いつもと言っても美月に惚れてからは抱いたのはどうにも堪らなかった時に風俗嬢を3度だけ、ほとんどは本番なしのマッサージ店などが主であった。

 自慰行為でもスキンを消費したためちょうど今は手持ちを切らしている。

 購入にあたっての男性器の計測、これを美月にさせてみようか、などと不埒ふらちな考えを持って高石は車を出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...