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7…胸に刻む(最終章)
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しおりを挟む「…朋也くん、変なとこ触らないで」
「こういうことを狙って、誘ってくれたのかと」
業務用シャンプーの泡を纏う私の体に、朋也くんは案の定ちょっかいを出す。
こちらの両手が塞がっているから勝手をするのだ、髪から滑り落ちた泡を乳房に塗ってはぬるぬると撫で下ろす。
「…イチャイチャくらいなら良いと思っただけ、あと、私がシャワーしてる間に朋也くんベッドで寝ちゃうと思って」
「確かに……泡プレイ、良いっすね…」
「くすぐったいよ…はい、1回流すね」
数回の経験から分かっているのだが、美容師さんがしてくれたヘアセットというものは一度の洗髪では元に戻らない。
しっかりと塗布された整髪料は、2回3回と洗わねば落ちないのだ。
ザアッと流すと、まだ若干の硬さが残っている。
「朋也くん、交代ね」
「うす」
再シャンプーを頭の上で泡立てて、しっかりと揉み込んでいく。
朋也くんも頭を濡らしてシャンプーを付けて、一筋縄ではいかなそうな感触に「おぉ」と驚いていた。
「……」
私たちは狭いバスタブ内に並んで立ち、もっしゃもっしゃと髪を洗う。
触れ合った方が新婚っぽいかな、泡の付いた髪を猫耳みたいにツンと立てて、彼の反応を見る。
「…ぷはっ…何すか、それ……かわいー」
「可愛いかね」
「可愛いっすよ…ジブンも、ほら、お揃い」
「かわいー」
わざわざロマンチックな雰囲気に寄せることもせず、かといって裸なのにエロティックな展開にもならず。
朋也くんに言わせれば「我慢してんすよ」とのことだけど、無理矢理にでも敢行しないところが偉いし信用できるのだ。
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