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5…胸が塞がる

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 お姉さんぶったのは最初だけ、その後は朋也くんに甘く愛された。

「透けブラ、良いっすね」

「…買って良かった」

「…まさか、これ会社にも」

「しないよ、バカ」

 朋也くんはちゅっちゅと私の小さな胸を愛でて、ねくり回してつねってと忙しい。

「冗談じゃなく、美紀さんキレイになったから心配なんすよね」

「だから、何か言われても断るって」

「キレイになるなとも言えないしなー…社内恋愛を声高に広めるのも違いますしね…」

「うん…あの、信用してよ」

「してますよ、でも男が見ちゃうのが嫌なんすよ。美紀さんは気さくだし、孤高の美女って訳でもないから話し掛けやすいでしょ、イケそうな気がするって言うのかな…クリスマス前に恋人作りたい男にモテそうなんすよね」

「分析ご苦労さま。朋也くんが私をどう思ってるかよく分かったよ」

 朋也くんは乳首から口を離して、

「先駆けたジブン、天晴あっぱれでしょ」

とドヤ顔で笑う。

「他の誰かが先駆けてたらどうした?」

「もしもの話って無意味っすよ。そん時は最初から好きになりませんもん。略奪とか誰も得しないし」

「なるほど…じゃあタイミングが良かったと」

「そういうことっすよ…美紀さん、もう1回、」

「…良いよ」

 私がモテ期に入ったのは、他でもない朋也くんのおかげだ。

 残念ながら恩恵に預かることは出来ないけど。


「好き、こんなデレんの初めてっすよ」

「ありがと…あ♡」

 何がそんなに好かれているのかはよく分からない。

 でも波長とかノリが合うっていうのは何物にも代え難い価値があると知っている。

「可愛い」

「私も、こんなに愛してもらったのは初めてだよ」

「光栄っすね、有り難き幸せ」

「なんで今日、お侍みたいな喋り方してるの」

「読んでた漫画のせいっすかね」

 ロマンはちょっぴり、日常を重視。

 私は彼と過ごす毎日が好きだ。

「楽しいね」

「うす、美紀さん、もうぼちぼち、」

「え、あ、ッ……あぁア♡♡♡」


 この夜、朋也くんは私に「新しいスキン買って、この部屋に常備しといて下さい」と命じて眠りについた。

 ぐぬぬと反抗しながらも、ネットで早速ポチる私だった。
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