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3…胸を張る
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しおりを挟む規定違反の派手な金髪。
カラー見本は無いからどこからがアウトとは決まってないが、彼女は明らかに脱色している。
上場企業の本社勤務だからカジュアルフォーマルでもそれなりの身嗜みをと常々言われているのだが、エリナは守らない。
せめてキッチリ結っていれば良いのに、下ろして巻いて盛ってとパリピが過ぎる。
見た目が業務に関わることじゃなしと寛容になってきた世の中だが、彼女はデスクで化粧するわヘアアイロン使うわ髪の毛落としっぱなしだわで素行も良くない。
それを注意しても「社内規定にデスクでコテ使っちゃダメって書いてませんけど」と反論されてお終いだろう。
マナーとかモラルみたいなものがとにかく欠落しているから、真面目に話すのが阿呆らしい。
しかし、矢向くんに関しては譲れない。
私を好いてくれている矢向くんを、彼女の生け贄にするなんて出来ない。
私は一旦息を落ち着けて、エリナに向き直った。
「茨田ちゃん、私は…矢向くんのことが好き。矢向くんにアプローチ掛けるのは自由だけど、私が彼のことを好きな気持ちは捨てられないから」
「ふぅん…やっぱり、元宮さんが付き纏ってたんだ。なら、エリナが告って矢向さんを救ってあげちゃお♡オバさんにストーカーされるより、可愛いエリナと付き合った方が良いもんね、元宮さんなら楽勝~」
「(私、めっちゃ惨めなオババ扱いされてる…)」
私がストーカーだとしたら、誰と付き合おうが地の果てまで追ってやるけどな。
恐い考えはさておいて、私の気持ちを明かしたことで私は自分のポリシーを曲げずに済んだ。
嘘は言っていない、私が矢向くんのことを好きなのは事実だ。
そして好きな人を明かすという弱みを握って、エリナは私より上位に立ったと思い込んでいる。
勝手に踊ってくれてれば害は無いかな、だって私には恋人・矢向くんという大きなアドバンテージがあるのだし。
「さーて、バス戻ろうっと。元宮さんも、急いだ方が良いですよ。メイク直したってエリナみたいに若く可愛くなる訳じゃないんだしぃ」
「あっはっは…ご忠告ありがとう」
5つ年下というだけで、ここまでマウントを取られるとは。
跳ねて出て行く後ろ姿をこっそり睨み、化粧は直さずトイレを出る。
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