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1…胸に手を置く
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しおりを挟むなるほどガツガツ行くのではなく請われてお付き合いに引き摺り込まれて来たのだな、いかにも今時の男子らしい恋愛歴である。
それはいわゆる『モテる』ということなんだけど、鈍いのか気にならないのか本人は無自覚で小憎らしい。
自分からグイグイ来るタイプの女子はきっと顔にも体にも自信があったはず、そんな子たちと比べれば私なんて彼の中で『女性』として分類されているかどうかも怪しいものだ。
「畏れ多いっすね…てか、元宮さんはどうなんすか?告白する方っすか?」
「半々かな。狭いコミュニティで出逢って自然と仲良くなって、だよ。そうじゃなきゃ私みたいなのは条件で弾かれちゃう。まぁ、いざ、って時に胸見てガッカリされたこともあるよ。もうちょっと大きかったら別れてなかったのかも」
「気にし過ぎっすよ。それで不仲になるんならそこまでの間柄っすよ、遅かれ早かれ別れてますよ」
「まぁねー…いや、これは根深い問題なのよ。じゃあ話すなって感じだけど…思春期以降のもっぱらの悩みのタネだね」
よせば良いのにまた胸の話に戻してしまう、たまに、たまーにだけど「可哀想だ」と同情されるのも嫌いじゃない。
私の悩みっていうものは話してスッキリする部分もあるのだが、同意されれば「はぁ?何が分かるの?」だし肯定されれば「はぁ?解決策出せよ!」だし終わりが無い。
彼みたいに否定して来られると「はぁ?辛いって言ってるんだから分かれよ!」になってしまう。
面倒臭いのは百も承知である、今夜はそこに酒が入っているので輪をかけて面倒臭い女になっている。
女友達なら「はいはい、お水だよ~」でスルーしてくれるのだが、私はどうしたことか飲みかけのハイボールにまた手を伸ばし呑んでしまった。
悲劇のヒロインぶりたい心理もあったりするのだ、矢向くんにどう思われたいとか意識をしてないから余計にこうなったのかもしれない。
もし矢向くんを落とそうと思っていたら胸の話はギリギリまで伏せていたはずだ。
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