胸に手を置かれたら、朋也くんのことしか考えられないじゃん。ー無気力系後輩がグイグイ来るのは想定外でしたー

茜琉ぴーたん

文字の大きさ
上 下
4 / 116
1…胸に手を置く

4

しおりを挟む

 なるほどガツガツ行くのではなく請われてお付き合いに引き摺り込まれて来たのだな、いかにも今時の男子らしい恋愛歴である。

 それはいわゆる『モテる』ということなんだけど、鈍いのか気にならないのか本人は無自覚で小憎らしい。

 自分からグイグイ来るタイプの女子はきっと顔にも体にも自信があったはず、そんな子たちと比べれば私なんて彼の中で『女性』として分類されているかどうかも怪しいものだ。


「畏れ多いっすね…てか、元宮さんはどうなんすか?告白する方っすか?」

「半々かな。狭いコミュニティで出逢って自然と仲良くなって、だよ。そうじゃなきゃ私みたいなのは条件で弾かれちゃう。まぁ、いざ、って時に胸見てガッカリされたこともあるよ。もうちょっと大きかったら別れてなかったのかも」

「気にし過ぎっすよ。それで不仲になるんならそこまでの間柄っすよ、遅かれ早かれ別れてますよ」

「まぁねー…いや、これは根深い問題なのよ。じゃあ話すなって感じだけど…思春期以降のもっぱらの悩みのタネだね」

 よせば良いのにまた胸の話に戻してしまう、たまに、たまーにだけど「可哀想だ」と同情されるのも嫌いじゃない。

 私の悩みっていうものは話してスッキリする部分もあるのだが、同意されれば「はぁ?何が分かるの?」だし肯定されれば「はぁ?解決策出せよ!」だし終わりが無い。

 彼みたいに否定して来られると「はぁ?辛いって言ってるんだから分かれよ!」になってしまう。

 面倒臭いのは百も承知である、今夜はそこに酒が入っているので輪をかけて面倒臭い女になっている。

 女友達なら「はいはい、お水だよ~」でスルーしてくれるのだが、私はどうしたことか飲みかけのハイボールにまた手を伸ばし呑んでしまった。


 悲劇のヒロインぶりたい心理もあったりするのだ、矢向くんにどう思われたいとか意識をしてないから余計にこうなったのかもしれない。

 もし矢向くんを落とそうと思っていたら胸の話はギリギリまで伏せていたはずだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

危険な残業

詩織
恋愛
いつも残業の多い奈津美。そこにある人が現れいつもの残業でなくなる

処理中です...