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おまけ
潤ちゃんは母になりたい・前編
しおりを挟む「『うちのお母さんは、おりょうりができません。お母さんは「やらないだけ、できるし」と言いますが、たぶんできないとおもいます。まえに、でんしレンジにたまごを入れてしまい、すごく大きなおとがしておどろきました。
うちのお父さんは、おりょうりもおせんたくもおそうじもじょうずです。おとうとのおせわもじょうずです。
お父さんはお母さんとなかよしです。やさしいお母さんとお父さんとかわいいおとうとといられて、わたしはたのしいです。』……どう?」
娘はニカァと、帰宅した妻へ自信の作文を読み聞かせた。
「…綾、あの、これ…参観授業で読んだの…?」
妻は青い顔になって、縋るように娘を見つめる。
その娘は「うん!元気よく読めたから、先生に褒めてもらったよ!」と明るく答えた。
本日は娘の小学校の授業参観があり、夫であるボクが参加した。
国語の授業の課題は作文で、数日前から娘はこの暴露文を宿題として準備していた。
在宅仕事のボクは当然付き添ってサポートしてあげて、添削もしたし直すべきところは直させた。
それであんな文章になった訳だが…娘は嘘はついていない。
誇張もしておらず、真実を述べたまでである。
「え、アスカ、周りの反応は?」
「親御さんもクラスメイトも、笑ってたかな」
「いやあぁ…しょうもない親だと思われたぁ…」
妻は頭を抱えてソファーに飛び乗った。
そしてダンゴムシみたいに体を丸めて、細い悲鳴をあげる。
「(先生も笑ってたけど、黙っておこう)」
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