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2019・薫風
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しおりを挟む「やッ…あ、妊娠っ…したら、どうするのよぅ…」
「普段ゴム着けてるセックスだって、避妊100パーセントじゃないよ?」
「知ってるよッ!でもこんなっ……」
「たっぷり種付けセックスだと…デキちゃうかもしれないね?」
ニタニタと微笑、嘲るような眼差し、下はギンギンになってかつてないほどに猛っている。
「私のことッ、大切じゃないの⁉︎」
「大切だよ、子供だって、作ってもいいッ…男と歩いてるの想像したら頭に血が上って…そいつの前で奪ってやってもいいって思ったよ、」
「ひグッ!」
飛鳥は悲痛そうに、しかし引きつりながらも笑おうとして歪な口元で潤への愛を語る。
「君はボクのパートナー、恋人、ボク以外に体を開くことは許さない」
「シて、ないってバ…ふアっ♡」
「確証は無いだろ?ボクが知らないだけで…上手いことシてるかもしれない…安心できないッ」
「ひッ…アァ…♡」
彼はいつも飄々としていて、口先では勝手な事を言うけど腹の中は何を考えているか分からなくて…見目を気にせずこんなにも必死に腰を振る男の姿に潤は愛おしさのその先を見た気がした。
疑われるようなことをしてしまった自分への罰、潤は不本意だがその罪を受け入れて、仕置きにはそぐわない甘い声を漏らし始める。
「不安、なんだよッ…前みたいに、四六時中ずっと…一緒には居られないッから…は…あー…きもちい…所長…ねぇ…きもちい?」
「んグッ…きもち、いいッ…ぅあッ…♡」
強く深く奥へ奥へ、すぐそこには子を宿す部屋が今か今かと子種を待ち侘びて、体の組織が全勢力を投じて絞り出そうと飛鳥を締め上げる。
「ジュンちゃんが、好きだよッ、でもボクが、捨てられるかも、しれないッ…、だから本気で、本腰入れて、好きになるのがッ辛いんだよっ…」
「まだッ…そんなコトっ…ゔっ♡ハァ♡」
秋に飛鳥が口にした「君じゃなきゃダメな理由は無い」宣言、長々と尾を引くこの問題は常に潤の心の真ん中に居座り続けては彼に抱かれるたびにチラチラと存在感を醸してくるのだ。
「どんなに…ラブラブだって、別れる時は…一瞬でさ…は♡その後は憎まれたり呪われたり…ジュンちゃんもそうなるんだろ、」
「別れ方、に…よるよッ…こんな、セックスばっかりだと…嫌いに、なっちゃう…」
「ほら、ボクを全て受け入れられないだろ?簡単に…『君じゃなきゃダメ』なんて言えないッ…」
少なくとも今は貴方しかいないし、他の男に惹かれもしない、言葉でも体でも伝えているのに伝わらない、相容れない。
「じゃあ、アスカからッ…私を捨ててよ…もう、お終い…鎖で繋いでおいて『君じゃなくて他の子でも良かった』なんて言われて…いい加減にしてよ…私の…今の私はアスカが好きだって…アスカしかいないって、言ってるじゃない…、こんな…ことされても許せるくらい、信頼してるし、ドキドキするし…アスカに捨てられたら私死ぬまで一人でいるわよ、それで証明になる?『ボクじゃなきゃダメだったんだ』って、オンリーワンだったんだって分かるでしょ…?もう…なんで分かってくれないの…」
「死ぬとか簡単に言うなよ…」
「ばか、じゃあ解いてよ!もういや、抜いてッ…」
「いやだ」
どうすれば証明できる?行き着く先は結婚?しかしここまでコケにされて付き合いを続けることは出来そうにない。
嘘でも見栄でも虚勢でも、「ジュンちゃんしかいない、愛してる」と言ってくれれば何年でも待てるのに…、保険を張って保身を図って、そうまでされてもぐずぐずの体は飛鳥を離そうとしないでいる。
「ジュンちゃん、もう…出そうッ♡ボク、ナマで中出しって、シたことないッ♡は、サせてね、もう生理来るもんね、中に…ふは♡」
「嫌だってば…、アスカ!……ひぎッ♡」
「あ、ジュンちゃん、ジュンちゃん…呑んで、ボクの!お胎でッ…出るよ、ん、ん!」
「やっ…やらっ!アすかァっ!あ♡あ♡」
「はふッ…♡」
組み伏せた潤へぐりぐりと腰を擦り付けその瞬間に引き抜いて、彼女の歪んだ臍へと逢えないうちに溜まった欲をたっぷりと注ぐ。
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