先生、マグロは好きですか?

茜琉ぴーたん

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2019・新春

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 数日後。

『でね、謝ってもらって、丸く収まった感じかな。当たりも柔らかくなったし…もともと教えるのが上手いみたい』

『へぇ、そりゃ良かった…マウントは?』

『さすがにされなくなったよ。でも手が届かないのに無理に頑張っちゃったりするから、そこは危ないから私を呼ぶように言ったよ…あのね、彼女と話してて思ったんだけど、私…アスカの話し方がうつってるみたいなの。なんか、自分でも似てるなって…思っちゃった』

 その後どうかと飛鳥から着信があったので、潤は最新の近況を教えてあげている。

『いいね、偉いじゃない。良かったよ…うん、気休めにと思ったけど、いいように転がるもんだね』

『うん?なに?……あ、もしかして店に電話くれたのってアスカ?』

『ナニソレ?ボクじゃないよ』

?ん?』

『ふは♡』


 飛鳥はカウンターを訪れたあの日、1階のロビーで書き物をして「お客様の声」ポストに投入していた。

 それはパソコン教室の講師さんがとても分かりやすくて助かるというお世辞の言葉、褒められることで自信を持ち潤から気が逸れればと思ってやってみたのだが本当に事態がうまく運ぶなんて…期待以上である。


『なーに?教えてよ』

『また今度ね、明日早いからおやすみ♡』


 追撃用に持ち帰った予備の用紙をクシャと丸め、飛鳥は溢れかけのゴミ箱へとそれを投げ捨てた。



つづく
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