先生、マグロは好きですか?

茜琉ぴーたん

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2019・新春

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「アスカ、講師してる時って、他の講師と触れ合うことって無かったの?」

「んー?無いね、基本的なスキルは皆あるから揃っての研修も無かったし…派遣だからね、それぞれでって感じ…ん、あの後任の子のこと?」

「うん……あんまり、告げ口みたいで嫌なんだけどね…」

食事も済んだ車の中、潤はここ数日の彼女の「仕事」ぶりを飛鳥へ伝える。

 これまで日に日に受講者が増えて、定期受講者の契約も増えつつあるということ、受講者と施錠して講義をしていたこと、そしてゴミ箱にスキンの包みとティッシュが捨ててあったこと。

 なるべく主観ではなく客観的な事実を並べて意見を求めたのだが、飛鳥の答えは煮え切らないものだった。

「それは…証拠が無いと厳しいね…独立した業態だから店側がカメラは置いたり出来ないし…」

 少し走ってホテルに着いたので、潤は適当に部屋を決めて駐車場に入れる。

「でも…ゴムが…」

「捨てちゃったでしょ?実物は?見た?」

「いや…箱とティッシュだけ…でもわざわざ見える位置に捨てる?…次があれば…保管しておこうか…」

思い出すだけでも気分が悪い、ゴミ袋ごと封をして取っておけばいいか、潤はロッカーに空きがあったか回想した。

「気持ち悪いでしょ、もし本体があったら…他の男の抜け殻なんてジュンちゃんに見せたくもないね。てか、保管しても証明にならないって…写真撮っておくのはいいかもしれないけど…犯罪行為でもないから…ん、分かった。どの講師とは言わないけど、こんな意見があったよ、って、会社に言っておくよ」

「いいの?もう関係ないんじゃ…」

「一応、提携って形で籍は残しておいてもらってるんだ。そのナントカさんが男を呼ぶのに規則性があれば張り込んで突入とか出来るけど…まぁ注意で済むならそれが一番だよね」


 部屋に着いたら飛鳥は扉を開けて潤を先に入れてやり、荷物を下ろした彼女の腰へすぐに手を伸ばして服を脱がそうと両手を働かせる。

「うん…お願い」

「逆恨みされたりするかもしれないから、あくまで自発的にパトロールした感じで見つけたいところだね…うん、そうなると彼女は長くないだろうね」

「そう言われると…なんか罪悪感あるなぁ」

非正規雇用の若者が増える昨今、職を追われた彼女は路頭に迷ってしまうかもしれない。

 後味の悪い結果にならねば良いなと脱がされながらも潤は祈った。

「疑わしいことをしたら取り調べを受けるんだよ。無実ならそれでいい、他のパソコン教室に派遣されるだけだよ、クビじゃない…ん、エロい」

 車内でチラ見したレースのブラジャーと揃いのTバック、要所要所にあしらわれた黒い薔薇のモチーフが毒々しくていやらしい。

「ん、分かった…私も性格悪いなぁ、アスカにこんな事頼んだりして…」

「ふは、なんか見てて思ったけど…ジュンちゃん、相当ストレス溜めてるでしょ。この際だから言っちゃいな、腹立つ事は教えてよ」

ベッドに腰掛けさせたレース越しの乳首を舐めては甘噛みし、飛鳥はふんふんと彼女のイライラを解放させてやる。

「大きい…とかッ…あ♡酷い時はデカいとか…あ…ん♡そりゃ、小柄な方が…男性も気分いいだろうけど…ッッきゃ♡」

「うん、征服してる感は正直あるだろうね…胸に抱いた時の華奢きゃしゃな体…確かに気分はいいよ…ん♡でもほんと、体つきって個性だからねぇ…もしジュンちゃんが彼女の体格に生まれてたら、今みたいにサッパリしてなかったかもしれないよ」

「そう…かな…?」

 飛鳥はシャツの襟をちょんと摘んで脱がして欲しいと合図する。

 み取った潤は彼の服へ手を掛けた。
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