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2018・爽秋
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しおりを挟む予定通り食事を済ませてからホテルへ入り、飛鳥は潤に胎のバイブを外すように言いつけた。
てっきり、それで虐められながら通話でもさせられるのだと思っていた彼女はキョトンとしたが、飛鳥の温情だと思ってありがたく言う通りにさせて貰う。
「履いてきたパンツに替えていいよ、暗くて分かんなかったけど…あ、やっぱりレースだ♡可愛いなぁ、」
飛鳥は鞄から潤のショーツと、もうひとつ白い物を取り出した。
「今日はコレを使います。服は脱がなくていいよ、ハイ」
遮光カーテンに似た素材の耳掛け式のアイマスク、表はウエディングドレスの様に光沢があって真っ白い。
「これ着けるの?うん……」
「見える?」
「鼻の所が少し浮いてるからそこだけ見える…かな」
「じゃあ明かりを落とそうね、あんまり鮮明に見せてやるのも癪だから」
ベッドサイドにある照明のスイッチで段階を下げると、電球色のぼんやりとしたオレンジ色が部屋を染めた。
「見せてやるって…なに……あ、まさか、」
「うん、ケンタに仲良くしてる所を見せてやるんだよ。メインは話し合いだけどね、理解してもらえなかったら最後までシちゃうかも」
「あ、」
「外しちゃダメだよ、所長…あ、辞めたテイだから役職で呼んじゃいけないね、ジュンちゃん♡」
アイマスクに手をかけた潤を制止し、飛鳥はポカンと開いた彼女の口へキスをした。
「ふふ…本当はお揃いの手錠もあるんだけど、着けちゃうと『無理やり感』が出ちゃうだろ?ジュンちゃんが自分の意思でボクに繋がれてる所を見せたいから、手は自由にしてあげるよ」
「ありがたく…ない…」
「手を縛ると嫌がる理由ができちゃうじゃん。手が自由なのに振り払って逃げもしない、そういう陥落してる姿を見せたいんだよ」
「……先生が見たいんでしょ」
「まぁね、あ、名前で呼んでね、ジュンちゃん♡」
潤は縛られてもない手を膝の上に揃えて、ベッドの真ん中に横座りになり通話の開始を待った。
「さて…そろそろ掛けてあげようかぁ…何も…喋らなくていいからね、本当はジュンちゃんのシルエットだって見せてやりたくないくらいだよ」
「ならテレビ電話なんて止めようよ…」
「こうでもしないと納得しないだろ?しても納得しなかったら警察かな、実害ないけど相談だけでもね。それか引っ越し…まぁ、後で考えよう」
「うん…ん?」
ベッドに振動を感じて潤が顔を振ると、目隠しをされたその頬に生温かい肉がペチンと当たった。
「噛んじゃダメだよ、ジュンちゃん♡上手に出来るかな?」
「あ、ム」
飛鳥は潤のスマートフォンの『ケンタ』の着信拒否設定を解除し、ダイヤルしようと思ったところで向こうから掛かってきた。
「早速かぁ…ふふ、始めるね、」
「んグ」
アスカはマスクを外した素顔で髪を少し整え、『ビデオ通話』のボタンをタップする。
『もしも…ん?ジュン?おい…お』
「見える?ケンタくん、初めまして、ふっ♡…ジュンちゃんの今カレでーす」
動画配信でもするように明るく、飛鳥はインカメラに向けて手を振った。
『な、なんなんですか、彼女に代わってください』
「ジュンちゃんなら今、あッ♡…ボクの足元にいるけど見たい?」
『は……⁉︎』
「本当だよ、ほら…ンん♡」
『うわぁっ…』
飛鳥はアウトカメラに変えたスマートフォンを下腹部へ向け、股倉へしゃぶりつく目隠し状態の潤を映してケンタへ見せつけた。
ホテルのベッドに跪き男の脚にしがみ付いて口の中をモノでいっぱいにして…あまりに卑猥な元カノの様子にケンタは黙り込む。
「お前はさぁ、彼女を育てもせずにマグロだっつって棄てただろ?ふん…教えてやればこんなに、……ほら、ジュンちゃん、そう…あー…おフェラも上手だね…ふふっ」
片手をジュンの後ろ頭へ添え、押さえつけるでもなくさわさわと撫でて褒めてやる。
『………』
「エロいだろ?ハぁ…あ♡…この子はこんな事もできるんだよ…わかるだろ、自分から咥えてんだよ…んッ…美味しいねぇ、ジュンちゃん♡」
男の根元に唇が付くほどに深く、味わう様に舌を残して引き抜いて、またかぶり付いて。
ケンタは自分の知る元カノではないことに動揺を見せる。
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