先生、マグロは好きですか？

2018・爽秋

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　翌々日の夜。

「ねぇ、ユイは特定の彼氏は今いないんだっけ？」

仕事終わりにお馴染みの岩盤浴へ出かけた潤は、館内着でだらりと横たわる同僚・唯ゆいへ尋ねた。

「特定どころか、男すらおれへんよ。クリーンやで」

「ふーん、あのさ、彼氏にね、『君じゃなきゃ駄目な理由が無い』って言われたらどう思う？」

「お？」

唯は天井を見上げて言葉の意味を考えながら、首を傾げた。

「うん？んー……それは『誰でもいい』ってことか？」

「違うらしいの。暫定１位らしいの」

「はぁ？アイツ…あの変態、んなええ加減な付き合いしてんのか？」

この唯は、休日の職場で痴態を繰り広げた飛鳥を『変態』として捉えている。

「この先、私よりいい人が現れたらそっちにするかもって。腹立つよねぇ…探す気はないらしいし、私を逃す気もないらしいんだけどね」

「はぁ…？あー、ジュンより上におりたいわけか…、油断するなってこと？」

「そんなことも言ってたかな…不安にさせてるつもりもないんだけど…あ、そういやね…最近メールが…」


　潤はそこから元カレのキモメールの話で唯と大いに盛り上がり、飛鳥との話は意識的に忘れてしまったのだった。