29 / 113
2018・新緑
28
しおりを挟む「(危険日前後は挿入控えてるから…溜まってんのかな…セックス中にグイグイ求めてくる感じは無いけど…遠慮してんのか?)」
いくらひとりで考えたところで答えが出るはずもなく、飛鳥はもう直接問い質してみることにした。
「…ねぇ所長?今、ナニ隠したのさ」
「…!いや、何も…」
嘘がつけないのだろう、プルプルと唇が震えて目が遠くを泳いでいる。
「怒らないから、教えてよ」
「…何も?」
「ふーん、……ボク見ちゃったんだけど。所長ってば、ああいうのが好きなんだ?」
「すっ、好きじゃないよ!練習で買っ………ぅあ」
「嘘つけないんだから、最初から正直に言えばいいのに」
飛鳥は潤をソレが充電されていた壁際まで追い込み、
「持ってきて。新参は先輩に挨拶するもんだろ?ボクにちゃんと紹介しな」
と命令した。
潤は渋々、本当に心底嫌そうに寝室に入っていき、片付けたばかりのソレを出して来た。
「所長の新しいお友達かぁ…穴兄弟?妬けちゃうなぁ。ボクの可愛がりでは足りなかったかー、自信無くしちゃうなぁ~」
ジップ袋の上の方を摘んで目の前に吊り上げ、彼女とソレを交互に見ながら飛鳥の尋問は続く。
「ピンクローターとかならまだ分かるけどさぁ、目的は何なのよ。初心者なのに、リモコン付きって…ふーん…ねぇコレ、ハメたまま外歩きとかするやつでしょ。エッロいなぁ…」
「いや、あの…」
「うん?」
「先生、私より先に、その…い、イッたこと…無い、でしょう?だからその…も、もの足りないのかなぁって…その…」
「ボクの方が?」
潤はそうだ、と頷いた。
何の裏も無い、彼女は本当に謳い文句を間に受けてトレーニング用にソレを購入していたのだ。
締まりが悪いわけがない、いつも君のすぐ後を追って果てているではないか。
飛鳥は潤の不安を取り払う言葉を言ってやりたいが、奥手なこの子が購入したくらいだ、余程考え抜いての行動だったのだろう、と意見を飲み込んでしまう。
「はぁ……うーん、コレ、もう使った?」
「…まだ…恐くて」
「だろうねぇ、よし、トイレ済ませて来な」
「……」
非常に嫌な予感で潤の身体が、脚が、唇が震える。
潤は本来、ソレを黙って使って「自分磨き」をする予定だったのだ。
飛鳥の目に触れる予定など最初からありはしなかったのに、置き去りにしてしまったのは本当に凡ミスだった。
案の定、弱みを握った彼の目は爛々と輝いている。
「コレ、直接挿れる?ゴム被せた方が衛生的なんだけど…拭いてから挿れようね…んで、コレは自分で選んだのかな?」
「えっ…いや…ユイ…同僚の子と話した時になんかそう言う話になっちゃって…女性に優しいサイトで…一緒に選んだの…」
「…ふん…生々しいね。他には買ってる物無い?隠し事はやだよ」
「コレだけ。ほんと…先生、あ、今?」
飛鳥は擬似棒を手に、彼女のパジャマズボンをずらして準備に入る。
「待って、うワァッ…やっ…ア♡」
言葉で責められて潤は濡れていたのか、玩具はにゅるにゅると滑らかに、飛鳥の定位置へ収まった。
「ボクの挿れる時より反応大きくない?何か嫌だなー」
「違…質感…とかッ…冷たい…し…」
「硬すぎるよね、立ったり座ったりすると痛いかも…まぁゆったり座れば平気かな?」
「…?」
「出かけるよ、お散歩。ボクも一緒に遊びたぁい、な、」
それを聞いた潤は目を瞑り、やはり軽はずみな買い物などするのではなかったと過去の自分を呪った。
0
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる