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2020・初春(最終章)
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しおりを挟む腰が振れる、中へ誘い込もうと淫猥に踊る、
「フ…はァ♡あ、やば、んッ♡挿れ、たい、」
とついつい漏らせば飛鳥は
「だーめ、ボクより先に挿れさせない」
とバイブを少し遠ざけた。
「いじわる、っハ…ぁ…アスカ、の、挿れて、だめ?」
「試す?ん……んー………はー……うん、うん………ごめん、やっぱまだ…だめだ、ごめん」
「いいの、無理言った私が悪いの、おもちゃで…イかせて、」
「うん……何回イけるかな、」
「わがんな、イッ♡」
ピンクの張り型でこんなに乱れる妻を見れば飛鳥は玩具相手に対抗心が燃えて、
「悔しい、ジュンちゃん、はー…ダメ、やっぱボクがイかせたい、」
とバイブを投げ落として乳房を掴み再度股へ口を付ける。
「あ、あ♡」
高まっていたところに主人の温もりが戻って来てさらに責められて、ご無沙汰だった潤のソコは飛鳥の見立てよりも早く達しそうである。
「あすか、ぁ、きもち、ぃ、あ♡ア、」
床でヴンヴン唸るバイブレーター、その動きを眺めながら潤は脚の間に蹲る夫のくりくりの髪を撫でた。
「気持ちいい、アスカ♡ありがと、もぉ、あ、イっちゃ、う、」
「んん、ん♡」
飛鳥は目線だけくれて熱心にそこを舐り、存分に妻を鳴かせたら舌と腕と彼女の指先から…鼓動と極致を体感する。
「あ♡もぉ、やめ、離して、きゃア、あ♡アっ、あぁ♡……すご、い、」
「ぷは…ん、キレイだよ」
「…久しぶり…きもち、良かったよ、アスカ♡」
「ん♡早かったね、ジュンちゃん…あ、お乳が」
「あ…もったいない…搾乳しよ」
昂った母体は子宮を締め上げ、呼応した乳腺は赤ん坊のための食糧をせっせと外へ送り出し…飽和状態のパッドから溢れた乳がブラジャーの下へ垂れた。
素早く女から母モードに切り替わった潤はワイシャツから腕を抜いて、拭き取りながら台所へ向かう。
「……はぁ…勃たねぇな…クソが」
書斎に残された飛鳥は妻には使わない言葉で己を冷罵し、床で暴れるバイブレーターの電源を切った。
こんな玩具に負けられない、しかしてあんなに乞われてもスタンバイできなかった自身が情けない。
ジップ袋に張り型とため息をポンと収めてパソコンデスクへと投げる。
十数分経ってもまだぼんやりと座っていたのだが、台所から書斎へと近づいてくる足音に顔を上げる。
扉口には未だ服を着ていない妻が立っていた。
「⁉︎ジュンちゃんパジャマは?風邪ひくよ、洗ってあるから着て…」
「アスカ、興奮…する?」
「してるよ、メーターがあるなら見せてあげたいくらい、驚いたしドキドキしてるよ…当たり前だろ…」
「あんまり…思い悩まないで……次は私にも…させて?」
潤はすすすと擦り寄ってはその足元へ膝を付け、
「アスカ、座る?立ってする?」
と上目遣いで伺う。
「あ、座っ、て…」
「うん、ズボン下げるね……ねぇアスカ、私…エッチできなくても…楽しいよ。私たち、体の関係の方が先行しちゃったけど…お付き合いの楽しさも充分に感じさせてもらったもの。もちろん今もね、夫婦生活の楽しさも、子育ての楽しさも。だから…もし、もしね、アスカの自信がこのままでもね、その…私、やっていけるから、アスカと、エッチできなくても幻滅なんかしないよ、ずっと暮らしていけるから!」
ソコを手で扱かれ潤なりの励ましの言葉を聞けば飛鳥は呆然と
「う、ん、ありがと…」
と返し、ボクサーの穴へぱくりと食い付いた妻の後ろ頭を押さえ付けるように撫でた。
「ボクはビビりなんだよ、小心者…ふ…このまま枯れちゃったらって本当はすごく…不安…もちろん治療も考えてる、でもカッコ悪いなって…あ♡ん…二の足踏んじゃう…ジュンちゃん、上手だね、」
「んむ」
保険張りだものね、分かってる…潤はかつてなく軟らかい夫の食感に少しばかり同情する。
しかし徐々にむくむくと弾力が増せば根元へと刮目し、頭を抱える指の強張りからも興奮の再燃が感じ取れた。
「あ…うわ、ジュンちゃんがエッチだから…勃って…あ、」
「(慌てないで、)」
「ふア…あ、気持ち、いい…ジュンちゃん、ごめんね、こんな…あ、あ♡」
「(アスカが教えてくれたんだよ、ねぇ、)」
「あ、もォいい、あ、挿れたい、ジュンちゃん、」
勢いよく椅子から立ち上がった飛鳥は深く潤の喉を突き、
「んグ」
と咽せる裸の妻を床へ押し倒す。
そしてそこが定位置だったのかデスクの引き出しからスキンを探り、ぴっと封を切って自身に被せて…という時に寝室からか細い泣き声が聞こえてきた。
「あ、綾ちゃん!」
「夜泣き、か、」
潤はすぐに寝室へ、飛鳥はしおしおに萎えたムスコをパンツに収めてパジャマのズボンを腰まで上げる。
「よしよし…ごめん、アスカ…せっかく元気になったのに…」
「謝らないで、なんか希望は見えた気がするからさ…綾ちゃんが寝付いたら…またいいかな?」
「ふふ♡いいよ、休みだもん、夜更かししちゃお、」
「とりあえずパジャマ着て、」
その後二人は覚醒モードに入った娘に付き合って部屋中を歩き回り歌ってあやして、授乳をして…娘と共に川の字で朝を迎えた。
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