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2019・浅春
アスカのモノローグ・2
しおりを挟む特定の時期ということもないけど、月日が経ってもたまに昔の情景を思い出す。
朝起きた時にあの部屋だと錯覚したり、夢に現れたり。
ボクがもっと若い頃、関係があったショウコさん…ボクの持つ女性への性のテクニックは全て彼女から教わったもの。
「アスカ、違う、もっと底から、」
「こう?」
「そう、上手よ、んっ♡分かる?コレ、ポルチオっ…あ、上手い、んッ♡」
「ショウコさんッ…あ、気持ちいい?」
「気持ちいいよ、その調子、」
触り方も責め方も舐め方もイカせ方も、2人目の恋人だった彼女からほぼ体得したんだよ。
事細かにどこを責めるか指示してくれたし、良いか悪いかをきちんと答えてくれた。
上手にできれば褒めてくれたし…それで幸せだった。
「うん、いいねッ♡そのまま、そこ、そう、その角度で、覚えて、分かる?」
「う、んッ…あ、コリコリしてッ…あ、」
「そう、押すの、そのペース守って、ん、あ、いい子ね、」
「はッ…あ、ショウコさんッ、あ、」
「私が先よ、気張りなさい、ッあー、いい、アスカ、ん、ん、」
出勤前とか帰宅後とか、ショウコさんの都合に合わせてボクは抱いてた。
気まぐれなわがままにも付き合ったよ、好きだったから。
「アスカ、舌ピアスってできる?」
「え、」
「スプタンは?」
「なにそれ」
「ベロ裂くやつ。できそう?あれで舐められたら気持ち良さそう」
「…さすがに無理かな。ピアスならできるかも」
「そう、じゃあ今度ピアッサー買ってきて、開けてあげる」
「うん…」
ボクの舌ピアスも彼女にしてもらったもの。
それで舐めたら刺激的だって、すごく喜んでくれたから嬉しかった。
ショウコさんとさよならしてしばらくは着けてなかったけど、潤ちゃんとの初セックスで久々に着けたよ。
放っておけば塞がるんだけどね、定期的に通したくなっちゃうんだよ…まだショウコさんのこと忘れたくなくて。
もちろん、潤ちゃんとの時に着けたのは彼女を気持ちよくするためだしそこにショウコさんの影なんてチラつきもしなかったんだけどね。
言っても余計なこと考えさせちゃうから伝えるつもりもないし。
ボクは潤ちゃんに言ってないことがまだまだ多い。
彼女が遠慮して踏み込んでこないから答えないってのもあるし、事を荒らげたくないから小さく伝えてる事もある。
潤ちゃんにはボクはSだけど、ショウコさんの前ではそうでもなかった。
後ろも弄られたし色んなことをして遊んだよ、遊んでもらった。
ボクは潤ちゃんにショウコさんとのことを「プロのお姉さんと遊んでた」って言ったけど、それもちょっと誤魔化して伝えてる。
ボクは彼女のこと、本気で… だと思ってた、 だって…でも彼女はそうじゃなかった。
だから潤ちゃんは大切だけど、簡単に「君じゃなきゃダメ」なんて言えないんだ。
だって、愛が冷めたらボクが られるかもしれないだろ?そもそもこれが愛じゃないかもしれない。
ボクはまだ消化しきれてないんだよ、あの頃の自分がね。
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