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2019・薫風
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しおりを挟む「ただいまぁ…ジュンちゃん、ん♡は…あ、シよ、ジュンちゃん…見て、ギンギンなんだよ…触って、ねぇ♡」
「アスカ、ちょ…疲れてるんでしょ、お風呂…ん、」
打ち合わせの出張から戻ってきた飛鳥は玄関に入るなり荷物や土産を放り出し、同じく帰宅直後だった潤へ抱き付いて下半身を擦り付けた。
「やだ、ん、あぁ♡ジュンちゃん、触るか舐めるかして?お願いだよ…んッ♡あ、会いたかったぁ」
「嫌だよ、私も帰ったばっかなんだから…お風呂ね、一緒にお風呂しようね、」
恋人といえども衛生面には気を付けたい、潤はお互いのために飛鳥を風呂へ誘導して色付きのワイシャツを脱がしてあげる。
「もー、派遣元のさ、担当がさぁ…あ、同級生なんだけどね、ボクを都合よくあっちだこっちだって…仕事くれるのはありがたいよ?でももうボク社長だよ?手伝いは行くけどさぁ、この先どこで世話になるか分かんないんだから下っ端扱いはどうかと思うんだよ、うちが使う側になるかもしれないだろ?ね?」
「うん、うん…」
相槌を打って飛鳥の背中を流し、泡を追加して前も洗ってやった。
「ジュンちゃん、ごめん、今日…生理から何日目だっけ…抱いていい?」
「ん?…んー……大丈夫だよ…」
飛鳥が忙しくなってからは基礎体温すら測っていない、潤は自分の体のことなのに彼に任せっきりであることを今更思い出す。
とはいえ28日周期で誤差も少ないし、元々それくらいの管理で問題はなかったのだが。
「生理周期、ちゃんと記録付けてる?なんとなく4週間数えてない?」
「大丈夫…ちゃんと…うん、予定では来月頭あたり…かな」
「きちんとね、管理しなきゃ…本来ならボクがすることじゃないんだけど…これだけの頻度でセックスしてると…ほっとけないから…ん…あ…ジュンちゃん、手コキ上手くなったじゃん…あッ♡気持ちいい…」
泡の中でいきり立つソレの根本を掴んで先端を撫でつるつると扱いてやれば、飛鳥は簡単に男娼の如く艶のある声で喘ぎしなやかに仰反る。
「アスカ…お疲れ様…明日は?」
「うんッ…朝から、神戸の方まで…ビジホに、泊まっても良かったんだけどさ…ハぁ♡…やっぱジュンちゃんに会いたく、てぇ…ん、ジュンちゃん、もう、あ、出よッ…ハメたい、」
「まだ私、頭も洗ってないもん。待ってよ」
「んー…もう…早く、ジュンちゃん…無駄打ちしたくないから…待ってるからね、」
風呂で致すなど危険なことはしない、飛鳥は常に過激でドキドキするセックス経験を提供してくれるが、必ずスキンでの避妊は徹底してくれる。
「はいはーい」
・
潤は悠々と自分のペースで入浴を楽しみ、上がった頃には飛鳥は既にベッドで寝息を立てていた。
「(こうなると思った…)」
裸にバスタオルのまま気絶するように眠る彼の顔には疲れが滲んでいて、目の下のクマは帰宅時より濃くなっているように見える。
「メイクで隠してたのか…女の子みたい」
わざわざ起こしてまでセックスすべきなのか、潤は大いに悩むも、とりあえず自身の化粧水や乳液を準備してから隣に腰掛けた。
ここのところ飛鳥は出張続き、潤も忙しく生活は乱れ気味でまともなご飯も食べていない。
「ん…あ…冷たい…ジュンちゃん…?」
「ごめんね、待たせちゃって…スキンケアだけでも…しておこうと思って…」
コットンに化粧水を含ませて額に頬に乗せていけば、早い段階で飛鳥は目を覚ましてその独特な香りに顔を顰める。
「うわ…なにこれ…あ、いい化粧水か…こんな香りするんだ…ん…気持ちいい…」
「この後乳液も…私も塗ろっと…」
「なんか…いいなぁ…夫婦みたいで…」
「そぉ?来週からは同棲生活だね、ふふっ」
「ジュンちゃん、」
そう言うとコットンを乗せた飛鳥は両手を広げて潤を求め、寄り添うように横になった彼女の腰を抱く。
「ん…抱きたいけど…元気が出ないな…ボクもいよいよ、現役引退かなぁ…」
「何言ってんの…疲れてるだけだよ、んー…あの、さっきの続きで…手でシてあげるから…スッキリして寝たらどうかな」
「ジュンちゃんの中に出したいのにぃ…」
「ゴムに、でしょ…待ってね、乳液塗っちゃうから」
飛鳥の顔に、自分の顔に、化粧水と同じラインの乳液を付けると彼は再びその風味に鼻腔を閉ざし、乾くまで口呼吸をしていた。
その後はローションでぬるぬると飛鳥を扱き、クスリでもキマっているかの様に彼は一層艶かしく喘ぎ…潤の手へ白い白い粘液をそれなりの量噴射した。
「アスカ…いっぱい出た♡」
「うん…エナジードリンクとか…元気になる成分が入ってたりするとさ、コッチだけ元気になっちゃってさ…寝起きとかギンギンで…はぁ…ごめん、ジュンちゃん…」
「謝らないでよ…また、帰ってきたら…抱いて?」
「そう…いい子して待ってるんだよ、ん、……もう1回、ん♡」
疲れと眠気と爽快感、飛鳥はやけに潤へキスをせびり、彼女の胸元へ顔を埋めて眠りにつく。
そして翌朝、潤が目覚めるより早く家を出て、
『冷蔵庫に朝ごはん入れてるから温めて食べなね』
とメッセージと朝食を残してくれていた。
「ん…美味しい…」
来た時よりも片付いた部屋と台所、仕事用のスーツはきちんと吊るされているし玄関の靴は綺麗に揃えられ…そこかしこに飛鳥の痕跡を見つけながら、潤は1日を自室で過ごすのであった。
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