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2018・落葉
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しおりを挟む着衣の飛鳥に跨る全裸の潤、これが屋根の無いバルコニーで行われるのだから側から見えたとすれば彼女は完全に痴女扱いであろう。
「撮るね、動画♡ハメ撮りっていうかハメられ撮り?淫乱ジュンちゃんに襲われるボク♡ほら、動いて、射精しなきゃ終わらせないよ」
「んッ…いつ、か…バチが当たる…んだから…ふッ…」
「開き直った?あは♡あー…すごい♡キッツ…あ、ジュンちゃん…サキュバスみたい」
「誰が淫魔よ…は…んっ…いじめて…やる…ふ…」
スマートフォンを睨みつけ、乳房を揺らして腰をくねらせ…潤は上手に飛鳥を扱いてみせる。
「あー…気持ちいい…超いい景色…ジュンちゃん♡キレイだよ、あ、あー…マジ…エロい子に育てちゃった…」
「そうだよッ…アスカがっ、こんな…風に…したんだよっ…は………気持ちいい…アスカ…何だっけ…ごろちゃん…気持ちいい♡」
「な、んだよ…言うね…あ♡ん、ジュンちゃんのメメちゃんも気持ちいいよ、最高ッ…!あ、ん、」
それは初めての夜に決めた性器の呼び方、決めただけで呼ぶことはなかったが、潤は久々に口にしてみたくなったのだ。
「んッ♡ね、私の…メメちゃん、好き?私じゃなきゃダメでしょう?」
「好き、だけど、暫定、だよ…ゔあッ…あ、あー、出そうっ」
「じゃあ婚約は無し、私じゃなきゃ駄目って人…見つけてやるんだから…」
こんな状況でも志を曲げないこの男が憎い、突き放すことが出来ない、逃げるという選択肢も浮かばない自身の陶酔具合も馬鹿馬鹿しいとさえ感じる。
「ボクより?いい奴が…いるかな?んッ…あ、もう充分だ…」
そう言うと飛鳥は上体を起こして再度座位に戻し、ぎゅうと彼女を抱き締めてひと突き、
「ん♡」
そのままピクンピクンと痺れたように震えて静かに果ててしまった。
「……え、……アスカ…?」
「なに…ごめんね短くて…恥ずかしいから見ないでよ…」
「あは……耳、赤くなってる♡」
「コーフンしたから…青姦…いやエッチなジュンちゃんに……ごめん、朝からちょっと機嫌悪かったんだ…忙しいし…資格の試験とか近くて……弱ってる……体も…精神も……ヤキが回ったのかなぁ、せっかくのデートなのになんか…そんな気分にならなくてごめん、こうでもしないと……勃たなくて…ハァ………このまま枯れちゃうのかな…?」
飛鳥は潤の肩に額を乗せ、ゆっくりと途切れ途切れに隠していた近況を語る。
「疲れてたんだ…あの、私…セックスしなくても…今までし過ぎだったくらいだから…急に求められなくなると不安にもなっちゃったけど……その、手を繋いで寝るだけでも充分幸せよ?」
「ん…ありがと……あ、抜くから…ごめん。服着よう」
賢者タイムなのか嫌に冷静で、本音を話しているだろうにどこか余所余所しくて、潤は後始末をする飛鳥を見つめたまま動けずにいた。
「どした、ジュンちゃん…服…」
「アスカ、お家帰って…ホテルでもいいから、もう1回シよう?私…頑張るから…い、虐めてもいいから…シたい…の…」
「は…?珍しい…おねだり?」
「アスカを見下ろすのも好きだけど……やっぱり元気な…意地悪そうに笑うアスカが好きなの…こ、興奮するの…あの、抱かれ」
「分かったよ」
飛鳥は決死の意志表明を遮ってブラウスを潤の肩にかけ、ブラジャー無しで袖を通させる。
『♪』
「あ、ボクのだ…」
途中から空を映していたスマートフォンの動作を止めて、通知を確認した飛鳥の顔色が少しだけ変わった。
素早く何か操作して待ち…ニィと笑って潤へ向き直る。
「ノーパンノーブラは基本だよね、キャミも無し。できるな?ジュンちゃん♡」
「う、うん…あ…駄目だアスカ、透けちゃう」
白いブラウスはキャミソール無しでは中の乳首がうっすら透けて、ワンピースの布地でギリギリ隠れるかどうかという際どさだった。
「透けるからいいんじゃん…上着あるし…ん、降りよう」
ブルーシートを畳んで片付け、飛鳥は潤に下着と使ったスキンを持たせてその肩を抱き車へ戻る。
車内では潤は静かに、飛鳥の指示通りに上着を脱いで肩紐をずらし、その裾を捲って乾きかけた股間を指で弄った。
「ジュン、乳首勃ってるね」
「う、ん…」
「自分で弄るのとボクが触るの、どっちがいい?」
「アスカがいい…♡」
「淫乱」
ぐうの音も出ない、飛鳥が元気でなければ、犯してくれなければ抱かれた気になれないなんて、まさに色欲に狂った淫魔の様。
自己嫌悪と少しの後悔、そしてとてつもない興奮に潤は唇を濡らす。
「お家でね、ジュン…どの体位がいい?言ってみな」
「あ、せ…正常位…で…顔、見たい…」
「ダメ、見せてやんない。この前使ったアイマスクあるだろ?あと揃いの手錠な、……ふー…勃ってきた…」
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