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2018・大暑

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 白い肌にグリーンの小花柄のワンピース水着、プールサイドを歩けばフレアの裾と大きめの胸が揺れる。

「所長、いいね、似合うよ♡」

「ありがと…へへ…良かった…」

「良かったのはこっちだよ、あの水着…いや、あれもアリだけどね」


 じゅん飛鳥あすかは休みを利用して、県外のリゾートホテルへ2日間の短いバカンスに来ている。

 店は絶賛夏の繁忙期はんぼうき、少しでも気を紛らわせようと所長特権でシフトを組み替えて貰い連休を捻出したのだ。

 おかげで後日連勤が訪れるが仕方ない、後々のためにもここはしっかり遊んでおくしかない。


「すごい、先生、流れるプール、わぁ、波が来てる、すごい!」

「所長、まさかアミューズメントプール初めてじゃないよね?こういう所、来なかった?」

「ないの!だから嬉しい!」

 29歳の彼女は年齢よりもっと幼げに笑い、飛鳥は見たことのないそのはしゃぎっぷりに目尻を下げる。

「ボクとが初めてね、いいね」

それは元カレ・ケンタへの対抗心、会ったこともない、これからおそらく顔を見ることもないだろうその男への嫉妬心。

 飛鳥はそれらをメラメラと燃やしては潤への気持ちへと昇華させている。


 広い敷地にはウォータースライダーや子供用の浅いものも含めて10種類以上の遊び場が並ぶ。

 潤は人工的に波を起こすプールに爪先からゆっくりと入り、

「あ♡海みたい!すごい!」

と、語彙ごい力も子供に戻って楽しそうに腰まで浸かる。


 本来は太ももの中程まであるはずのフレアスカートはもう少し上で止まっていて、それが水中で傘のように開いて小さな尻が水面の浅い所にゆらゆらしている。

 着用イメージのモデルより潤は胴が短いが、ももが長かったのだろう。

「所長、スカートタイプは危ないなぁ、水中でお尻が丸見えじゃん」

「先生が選んだんでしょ?水着なんだからしょうがないじゃない、いいね、塩っぱくないのに海みたい♡」

 同年代の男も多く居るこのプール、飛鳥は潤の背後に陣取って波も感じずにただうなじと白い背中を見下ろした。
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