上 下
14 / 113
先生、マグロは好きですか?2017

14

しおりを挟む

「ん?…セックスでイッたことない?前の男はどうやって終わってた?」

「向こうが、イったら、おわ、り…で…」

それを聞き、いよいよ腰の動きを止めた。

「はぁ、ほんとつまんない男だね、そりゃ楽しくないわな。いい?じっくり肌を合わせて、どこがいいって意思疎通しなきゃ分かんないよ?」

「そう…?」

「当たり前だよ。AVじゃないんだから。下調べも無しでササっと試合してKOなんて無理だよ、余程のプロでない限りね。セックスって泥くさい汗くさい共同作業なんだよ」

「ん…」

「ほら、ボクに任せようとしないで、イイ所教えてよ!ね!」


 動き出した熱い身体、再び押し寄せる衝撃に、そこに繋がった潤の身体が過剰に反応する。

「んっ!はあ♡あ、んっ♡それっ♡あ、あ、せん、せ、」

「口が、だらしない、ね、ジュン、」

「あ♡せんせ♡あ、ぅあ♡ここ、あ♡やば」

不意に名前で呼ばれ、体が呼応した。

「あ、すげぇ、キツい、やるじゃん、ココがイイんだ、コレな?あぁ、すげぇわ」

「…せんせ、その、言い方、」

「うん?」

「男っぽく、て、カッコ、いい♡ゾクゾク、すゆ♡」

潤の唇がワナワナと震え、言葉を噛む…彼女は、先程から自分が何度も舌足らずな言葉遣いになっていることに気付いていないようだ。

「…ぽいじゃなくて、男だから、ふ、あー、ダメだ、もうイっとこう、同時にとか無理だから、ジュンをイかせてからね、やめろっつってもヤメないかんね、」 

「ふぁい、」

 飛鳥は最高にたぎって、なんとか持ち堪えている。

 もう少し、もう少しで中イキさせてやれそうな気がするのだ。

「アんっ♡ぅあんっ♡セんっ!セ、は♡」

「アースーカ、先生じゃなくて、アスカ!」

「あ、すか、アスカ♡っふ、」

 名前を呼ばせ、飛鳥の唇も波型に震い、一層腰に力が入る。

「ぁ、あ!っふぅっ!だめ、もぉっ!あ、あ♡コえ、あ、らめ、らめ、イっちゃ♡イイ?あたし、できてゆっ?」

「あー、いいよ、最高だよ!イけよ!」

「もぉ、もぉっ♡やらっ♡らメっ、あ、あ♡むりぃっ!あ、こわ、い、」

頭をぐりぐりと「いやいや」を表すも、体は隙間なくぎゅうぎゅうに彼を呑み込んでしまっているのでどうも説得力に欠けた。


 天辺てっぺんはもうそこまで迫って来ているはず、飛鳥は潤の胸の突先をぎっと摘む…

「こわく、ないよ!ほら、もう、ね、イこ、」

これが、トリガーになった。

「アふっ♡あ、もぉっ♡も、ムりぃ♡抜イ、で、や、あ!あ♡あ、アーーー♡♡♡」

「お♡あ、あ、」

細い体は足先までぎゅうっと丸まり、ぴくんぴくんと痙攣けいれんする。

 初めてのセックスでのオーガズム、潤はしっかりと目を見開き、追って飛鳥もその温もりの中で果てた。

「うおっ、アっ、ゥあ………………っは、あ♡すげ♡これ、中イキ、あ、まだ出てる…やべぇな、ジュンちゃん」

「は…あ…」

「抜くの勿体ねぇ…」

「ぬい、て…」

 飛鳥は渋々引き抜き、スキンを処理してベッドサイドのペットボトルを手に取り口にする。

 潤はくったりと仰向けになり、顎をつんと上げ息を吐いていた。


「所長、飲む?」

「………」

「…ねた?」

彼女はあられもない姿でさっきの間に寝息を立てていて、飛鳥はその口元に手を当て一応呼吸を確認してから布団を掛けてやる。

「…ふん」

 そしてうるさいテレビを冷めた目で一瞥し、電源から落とす。

 リアルな女を抱いた後、作り物のセックスは吐き気がするほどに汚らわしく感じたのだ。

「すぐもう1発いきたかったのになぁー」


 まだ治まらない男はボヤきながらシャワーへ向かい、時折感情に任せて乱暴な言葉が出たのを思い返して渋い顔で頬を掻いた。

 体をしっかり洗って再びバスローブに袖を通してスマートフォンを確認、カバンのポーチをゴソゴソと探る。

「役に立つかな…」


 このまま朝まで彼女は眠るかもしれない、そう思って照明を落とし、足元灯だけ明からせた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

保健室の秘密...

とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。 吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。 吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。 僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。 そんな吉田さんには、ある噂があった。 「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」 それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

性転換マッサージ

廣瀬純一
SF
性転換マッサージに通う人々の話

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

人違いで同級生の女子にカンチョーしちゃった男の子の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

ぽっちゃりOLが幼馴染みにマッサージと称してエロいことをされる話

よしゆき
恋愛
純粋にマッサージをしてくれていると思っているぽっちゃりOLが、下心しかない幼馴染みにマッサージをしてもらう話。

ニューハーフな生活

フロイライン
恋愛
東京で浪人生活を送るユキこと西村幸洋は、ニューハーフの店でアルバイトを始めるが

処理中です...