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11(最終話)
しおりを挟む食後は、今の時期から育てられる野菜を二人で調べた。
いちゃいちゃ、ラブラブ、風呂に入ってベッドに上がるまで離れない。
当然、消灯したって、離れない。
「ナツ、特別、今日はくっ付いて来るね」
「ゔんッ…指輪で、マリッジ・ハイなのかなッ…あ♡アキ、気持ちー、好き、好きィ」
「ん、ナツ、僕の花嫁さん♡」
「それ、やだなッ…あ、あー♡」
「ごめん、でも僕の大切なダーリンだよ♡」
俺もダーリンなのか、ハニーではなくてちょっぴり安心だ。
そうか、真秋はさらに上位のスーパーダーリンか。
同列に置いてくれるのに見下ろしやがって。
でもこの腕の中に居させてもらえるのは心地良い。
「アキは、スパダリ、だよなッ」
「そうかな、よく分かんないけど、嬉しいよ、」
「憧れるぜ、アキ♡俺の、スパダリ、」
「もぉ、可愛いッ…ナツ、愛してるよ!」
組んず解れつ、まるで新婚初夜な俺たちは大いに燃える。
きっと指輪が完成した連絡が来ても、こんな感じで盛り上がるのだろう。
仕上がった指輪を受け取って、それをはめて、その夜も弾けるだろう。
何かの記念日の度に、何かを始める度に、俺たちはこうして気持ちを確かめ合うだろう。
体も、言葉も、家事でだって愛と感謝を伝えられる。
それが出来る限り長く続くように、俺は真秋を支えていきたい。
「アキ、愛してる♡」
「ナツ♡あ、イっちゃう、ナツ、愛してるッ……♡♡♡」
ケンカもするし怒られることもあるし、これから泣かせることがあるかもしれない。
真秋が言ったように、死ぬまで添い遂げるかどうかは当然分からない。
それでも、こんなに高水準な愛を保持していける俺たちだから、その未来は永く続くに決まってる。
「あー、ドロドロ、ケツがアキでいっぱいだ」
「ごめん、中出し最高だからクセになっちゃう……拭くよ…それとも舐めようか?」
「共喰いやめれ…俺がお掃除フェラしてやるよ」
「それだって共喰いじゃん…僕のちんちん、今ナツ味だよ♡」
「気色悪いなぁ」なんて笑い合う、互いの粘膜と体液の味をシェアして把握してるのも普通じゃない。
それでも汚いなんて思わない、それは相手が真秋だから。
「今日、記念日にしようぜ。指輪注文記念日」
「なにそれ、受け取り記念日も作るの?」
「うん。それを暫定的な…け、結婚記念日、みたいな扱いに…したいかなって…」
「良いよ、写真も撮ろうか」
「それ良いなぁ!」
ふた月後、俺たちは完成した指輪を受け取り、写真館で記念撮影をしてもらった。
明確なゴールでもないけど、何かのスタートになる記念すべき日になった。
白いタキシードを着こなす真秋は王子様みたいで、スパダリの名を冠するに相応しい神々しさだった。
そんな真秋に手を引かれる俺も負けずのダーリン感を醸して。
真秋に比べれば劣りはするけれど、隣に堂々と立ち…凛と前を見据え、自慢のパートナーの腰を抱くのだった。
おわり
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