俺が不甲斐ないのは、彼氏がスパダリすぎるからだ!・3

茜琉ぴーたん

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 週末、俺たちは約束通り街へと指輪を買いに出掛けた。

 宝飾店の店員さんは最初こそ面食らっていたが、契約する頃には男女カップルと接する時のそれと変わりは無かったように思う。

 指輪はプラチナ製で、内側には二人の名前を刻印してもらうことにした。

 男女ペアだと女性側には石を付けたりするようだが、俺たちはどちらもメンズデザインにしたのでシンプルなものだ。

 出来上がりは2ヶ月後、着けるのが楽しみである。


「結局、指輪は着けるの?」

食事の準備をしながら、真秋が問うて来る。

「聞いてみたんだけど、着けてても問題ないみたい。逆に、イマドキ『結婚してるの?』なんて尋ねるとハラスメントになるらしいぜ」

「へぇ、しっかりしてるんだね」

「親会社がそういうとこ厳しいんだって、だから気にせず着けてOKみたい。もし聞かれたら、恋人とのお揃いだって言っても良いか?」

「もちろん♡」


 まるで新婚だ、交際を始めた時もここに引っ越した時も同じ雰囲気だった。

 日々の生活の中で薄れていくこのワクワク感、相手を思いやり尽くしたいと熱い気持ちが湧き上がる。

 何周年とか記念日とか、この初心を思い返すためにも大切なんだな、調理を進める真秋にまとわりついては話しかける。

「アキ、腹減った♡」

「なに、甘えん坊さんだなぁ」

「俺も何か、得意料理とか作りたい」

「作るから得意になるんだと思うけど…煮込みとかなら、失敗しにくいかもね」

「じゃあカレーにする。色々教えて、アキの好みの味で得意になりたいから」

 やれやれと困り顔の真秋は、俺を引きずりながら手を動かす。

 そして出来上がったのは真秋特製のカレー、よくよく考えなくてもこれには勝てないと分かる。
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